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「身嗜み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身嗜みの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たがあったのですが、それを白粉で上手に塗り隠していたのです。あとで聞くと、お俊は身嗜みのいい女で、朝は暗いうちにお化粧を済ませて、自分の素顔を人に見せたことが無....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
来ない。 信子夫人は、良人として与えられた異性に、ただ従順に、貞淑に、美くしい身嗜みで心を和らげる妻として育てられて来た。彼女の予想した夫は、多大な名誉と希望....
獏鸚」より 著者:海野十三
ずには居ないという悩ましい女さ。しかし器量の方はあまり美しいとは云えない。むしろ身嗜みで不器量をカムフラージュしているという方だ。僕はその女を認めると、つかつか....
流線間諜」より 著者:海野十三
から、慌てるのが当り前かも知れないが……。 「ああ、有ったぞ!」 帆村はいつも身嗜みとしていろんな小道具を持っていた。彼はチョッキのポケットから燐寸函ぐらいの....
雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
けて、顔を剃り立てて、どこの国の一流のレストランのボーイにもひけを取らないだけの身嗜みをしていた。 何もこの男に限らない事ではあるが、私はすべてのレストランの....
風俗時評」より 著者:豊島与志雄
さえ云われる。 入浴を好む者はまた洗濯をも好む。否、これは好みではなくて、既に身嗜みの一つであろう。羽二重の裏をつけた木綿の半被をひっかけ、素足に草履をつっか....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ある顔立だった。 彼女は、すべてが男性化していて、その汚なげによごれた爪にも、身嗜みのないことを証拠立てている。 そして、その三人に挾まって、なんら特徴のな....
三重宙返りの記」より 著者:海野十三
拶をした。鼻汁がたれているのはわかっていたが、これを拭うすべをしらないほど平常の身嗜みに無関心だった。 西原少佐殿は、さっきとは打ってかわり、それからいくども....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
の人気のない山の中に、誰が一体、来る人があるのでしょうか? 娘といい父親といい、身嗜みの正しさには、驚かずにはいられません。そこにかけて、問われるままに昨日|雲....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
びらかすためでないことはもちろん、もとより売らん哉であろうはずもなく、好きと心の身嗜みで進暢が計られたものに違いない。見て欲しさ、買って貰いたさの手伝ったもの、....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
じましたが、この小刀には金重と銘が打ってございまする。これは若草の親の作で、女の身嗜みだと云って、小刀には余程大きい、合口には些っと小さいが作物でございます。是....