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「身売り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身売りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
せた。私もお附合いに、聞かせてもらう事になった。明烏《あけがらす》と累《かさね》身売りの段を語った。私は聞いていて、膝《ひざ》がしびれてかなりの苦痛を味い、かぜ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
川から夜船に乗ります。その船のなかで懇意になったのだそうでございます」 お磯の身売りについて、お葉は玉の下見《したみ》に行った。その帰りの船が次郎兵衛と一緒で....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いる。 お前が私の極印を押された許可状を持たずに、霊から引放した肉だけにお前の身売りをすると、そこに実質のない悪魔というものが、さも厳めしい実質を備えたらしく....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、ふいに、愉快げに上を向いて笑いだした。 彼等は、頭領のミルクロフが、張宗昌に身売りをした、そのあとについて、山東軍に買われて来た。いつも、せいの低い、支那馬....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
および国民生活の基礎に関する思想は全くヨーロッパ人のそれと異なっている、その婦人身売りの汚辱から一朝にして純潔な結婚生活に帰るようなことは、日本には徳と不徳との....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
を暗誦する心算で云っているのではない。例えば日本に特有な形態の人身売買制度(娘の身売りなど)をどんなに悪いことで不道徳だと宣告しても、それで少しもこの現実の風俗....
社会時評」より 著者:戸坂潤
は、ニーチェではないが、いつでも婦人的なものだから。 新潟県では愛国婦人会が、身売り志願者に金を貸して、職業紹介をしてやることにし、金は返せなければ返せないで....
広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
な片言隻語が、下っ端の野呂十内の耳にもはいってきた。会社は社員そっくり抱えたまま身売りをする、との説もあった。一挙に解散してしまう、との説もあった。半官半民の会....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
娼婦の型としては一つの進歩で、私はむしろ喜ぶべきことだと思った。 親に売られて身売りして悲劇だなどゝ、そんな悲劇があるものか。喜劇である。茶番じゃないか。こん....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
の町はデフレの上にも不景気らしく、メーンストリートの古いデパートまでパチンコ屋に身売りという昨今であるが、警察の交通整理同様に不景気もこのお祭にだけは歯がたたな....
カストリ社事件」より 著者:坂口安吾
うだなア、それは、オレも気がつかなかったな。オレは、どうせ、パンパンだから、金で身売りか、それだったら、考えてみても、いゝかも知れねえな」 「オイ、よけいな口を....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
その一 速球投手と女優の身売り 新しい年も九日になるのに、うちつづく正月酒で頭が痛い。細巻宣伝部長が後....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に居ればロクなことにはならないでしょう。いッそ芸者になる方が身のためですッてね。身売りの金を手切金に、親子の縁を切るから、母も姉もないものと思って、こんな悲しい....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
加担して遂に大罪を犯すことがあります。また、兄とか弟とかの立身出世のために自分を身売りまでする姉や妹があります。そんなのは盲愛と言いましょうか、愛の濫用、堕落と....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
せんか? めかけをかこい、芸者買いのできぬような男は役に立たぬという社会、女郎に身売りすることを大きな孝行とほめる浪花節。邪淫を犯した男女の心中の芝居に熱狂する....