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身状
「身状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身状の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
、近辺の或安料理屋にいる女の一人であった。彼女は家にいては能《よ》く働いたがその
身状《みじょう》を誰も好く言うものはなかった。
お島が今の養家へ貰われて来たの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
吉もようよう思い出した。かれは下谷の小森という与力の屋敷の中間で、ふだんから余り
身状のよくない、方々の屋敷の大部屋へはいりこんで博奕を打つのを商売のようにしてい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もなく泳ぐというので、海坊主という綽名を取ったくらいの奴です。そいつがだんだんに
身状が悪くなって、二十七八の年にとうとう伊豆の島へ送られた。十年ほども島に暮らし....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
殺人鬼の陶器師が。……だが一方から云う時は、可哀そうな男でございます。不貞の妻の
身状から、あたら武士道を捨ててしまい、活きながらの地獄入り、鬼になったのでござい....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
にはいやに青い髭《ひげ》だと思った。 この男、晩年に中気《ちゅうき》になった。
身状《みじょう》が直ってから、大きな俥宿の親方がわりになって、帳場を預かっていた....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
由人の一夫多妻により女子が不足な場合には、もちろん女は容赦なく奪われる。厳格な独
身状態にある女子はおそらくほとんどまたは全くいないであろう。しかし結婚者数の割合....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
半数よりもやや以上が結婚まで生存するけれども、二〇歳ないし四〇歳のものの多数が独
身状態にあることは明かであり、そして予防的妨げは著しく行われているように思われる....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
い叔父さんが引っ張り出したにしても、雷に撃たれたのは災難じゃあないか。自分たちの
身状が悪いから、罰があたったのさ。」と、叔母は罵るように言いました。「叔父さんが....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
におきせするようだが、決してそんなんじゃない。いわばこれが手前の道楽。……手前の
身状《みじょう》については、叔父の庄兵衛から申しあげたはずですが、なんと言います....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
措いても、斯んな処に長居すべきでない。自分は東京深川生れのお葉さんである。自分の
身状が悪い為に、旅から旅を流れに渡って、「行くにゃ辛い」と唄にまで謳わるる飛騨の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
御用でも」 「されば、この書面に依れば、将軍家でお召抱えの件は、何か、武蔵どのの
身状に御不審とやらで取止めになったとある」 「え。お取止めに」 「――とも知らず....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
が、又十郎は、何と申しますやら」 「否とは云わさぬ。そちからも屹度申せ。又十郎の
身状、平常黙っておるが、知らぬ父ではないのだぞ」 「母上が御在世ならばと思うので....