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身知らず
「身知らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身知らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
ったりしながら言った。 「宜い加減に帰りゃいゝのやれど、ほんとね飲んだと来たら我
身知らずで困るとこ、……さあ、待っとらんとお前たちゃ先に飯をすまいたらよかろう。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
カラカラと笑い、 「分けたあとの出来事はこちの知ったことでない、老眼の見損いとは
身知らずのたわごと」 分ける、突く、打つ、その三つの間に一筋の隙《すき》もない....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
それでは頭《てん》から心構えが違いやす。」 「なに、失礼ながら尊公などは臭いもの
身知らずです。この私がぐんと調子を下げて、あたまに浮かび放題、筆の走るに任せてで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を跂《は》い行かしむと。今の欧米人これを聞いたら笑うに極まっているが、実は臭い物
身知らずで、彼らの奉ずる『聖書』にも十二世紀まではかかる異伝を載せあった由。 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
け、跡職《あとしき》を得取らずして紙子《かみこ》一重の境界となる類《たぐ》い、我
身知らずの性悪《しょうわる》という者ならずや」、風呂屋の猿とは『嬉遊笑覧』九に、....
「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」より 著者:宮本百合子
が、おのずからプロレタリアの闘争と一脈相通じるものであった。ゴーリキイはそうと自
身知らずに新興労働階級の代表として立ち現れた。どん底からの創造力の可能性をひびか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
南面して行くとホザいたその僭越が憎い! おれは忠義道徳を看板にするのは嫌いだが、
身知らずの成上り者めには癇癪が破裂する、よこせ!」 と言って神尾主膳は、鐚の油断....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を、残らず沸騰させてしまい、 「こいつ」 「この野郎」 「この馬鹿野郎」 「この
身知らず」 「こいつ、気ちがいだ」 「泥棒だ」 「胡麻《ごま》の蠅だ」 寄って....
「源氏物語」より 著者:紫式部
とができたら自分は幸福だったであろう。しいて作るこの冷淡さを、源氏はどんなにわが
身知らずの女だとお思いになることだろうと思って、自身の意志でしていることであるが....
「源氏物語」より 著者:紫式部
りち》一方の女であって、源氏に対して一度は思い上がった態度に出ても、あまりにわが
身知らずのようであるとか思い返してはつまらぬ男と結婚をしてしまったりするのもあっ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
じゃありませんか」といった。 五、河童《かっぱ》の川知らず、山案内《ギイド》の
身知らず。ブルタアニュの漁師の着る寛衣《ブルウジ》にゴム靴という、はなはだ簡便な....
「三国志」より 著者:吉川英治
うに誹るが、どこにそんな濁った者がいるか」 禰衡も、負けずにいう。 「臭いもの
身知らずである。――丞相には、自分の汚濁がお分りにならないとみえる」 「なに。予....