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身綺麗
「身綺麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身綺麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
だった。この二人に比《くら》べると、ほかの『城』同人は存外特色に乏しかった。が、
身綺麗《みぎれい》な服装の胸へ小さな赤薔薇《あかばら》の造花《ぞうか》をつけてい....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
小野田に訊ねたが、その頃は食物屋《たべものや》などに奉公していた当座で、いくらか
身綺麗にしていた女は、亭主持になってからすっかり身装《みなり》などを崩しているの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るとかいうので、近所の評判は余りよくなかった。そんな噂もあるだけに、母子はいつも
身綺麗にして、不足もないらしく暮らしていた。隣り同士でもあり、殊に庄太の商売を知....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
でしょうが、家には首の白いのが四五人も屯していて、盛に風紀をみだしている。そこへ
身綺麗な若い侍が飛び込んで来たので、向うでは好い鳥ござんなれと手ぐすね引いて持ち....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
凡そ二時まで掛ります、大層着物を被るのが八かましい人で毎でも婚礼の時かと思うほど
身綺麗にして居ました、身仕度が終ると家を出て宵の六時まで散歩し六時に外で中食を済....
「足迹」より 著者:徳田秋声
れた弁当を持って、朝おそく、学校へ出て行った。 お庄は磯野の出たあとの部屋を自
身綺麗に取り片着けながら、磯野の蒲団のうえに坐って、時計のオルゴルを鳴らして見た....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
たある時は家へ残して出た。 相変らず色々の人間が、小一郎の道場へ出入りした。全
身綺麗に刺青《いれずみ》をした遊び人などもやって来た。 豪放快活で洒落気があっ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
煖炉の傍に一人の美しい若い娘が腰掛けていた。その娘は、自分の娘の向い側に、今では
身綺麗な内儀になって腰掛けている彼女を見るまでは、スクルージも同一人だと信じ切っ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
三週間のあいだ私達が「ほんとに彼男だけは私たちが掘り出した宝石です」と言い得る、
身綺麗で小気の利いた“My Good Man”となることであろう。 『僕らはこの....
「小公女」より 著者:菊池寛
は、プリンセス・セエラでした。少くとも、セエラはプリンセス時代以来、今日のように
身綺麗にしていたことはありませんでした。彼女は二三時間前までのセエラとは似ても似....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
は別に美人というほどの女でもなかったのですが、堅気の百姓の家の娘としては、幾分か
身綺麗にしていたそうです。もちろん
身綺麗にしているだけならば別に議論もないのです....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
たけれど、裕八郎は黙してなにも語らない。鼻下や顎に、無精髭さえ生えてきた。日ごろ
身綺麗にするのを好んだが、その気持ちも忘れたのであろうか。 そのまま、一、二年....
「米」より 著者:犬田卯
近所へ家を借りて別居している母のお常が、野良支度ではあったが、いつものように
身綺麗な、五十を半ば過ぎているにも拘らず、まだ四十台の女のような姿態で、ヨシ子の....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
富とは大違いな殊勝な心懸、自分の望みで大学病院で仕上げ、今では町|住居の看護婦、
身綺麗で、容色も佳くって、ものが出来て、深切で、優しいので、寸暇のない処を、近ご....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
の出て来るものと思います。これも柏筵の言葉に「役者は人間の見せものなれば成るたけ
身綺麗にするがよし」夏は絽の頭巾を放さないのが良い、と云ったとあります。「絽の頭....