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「身辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
》な骨折りではない。しかも讐家《しゅうか》の放った細作《さいさく》は、絶えず彼の身辺を窺《うかが》っている。彼は放埓《ほうらつ》を装って、これらの細作の眼を欺く....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
わが心弱くして、飽くまで夫人を誘《さそ》う事能わず。ただ、黄昏《こうこん》と共に身辺を去来して、そが珊瑚《さんご》の念珠《こんたつ》と、象牙に似たる手頸《てくび....
外科室」より 著者:泉鏡花
し、脣《くちびる》の色変わりたり。 そのときの二人が状《さま》、あたかも二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、全く人なきがごとくなりし。 下 数うれば、....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の私に頼らねばならぬだろうか。私の過去には何十年の遠きにわたる歴史がある。又私の身辺には有らゆる社会の活動と優れた人間とがある。大きな力強い自然が私の周囲を十重....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
質の総量が不変であるという現代科学の立場と撞着するのみならず、また野蛮民等がその身辺から収集した原始的の経験とさえも融和しないものである。また実際多くの場合に、....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
特配に喜びなし、煙草は吸わないためだ。正月がくるというのに、一体何の喜びがあると身辺をふりかえったのに、三つの喜びがあった。一つは去る二十七日の敵機錐もみ撃墜の....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
工の謎は解けた。 密命を帯びたわが川上機関大尉は、巧みに変装して、リット少将の身辺をひそかにうかがっていたのであった。 彼がいつも片手にぶら下げているペンキ....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
こに母や祖母などのなつかし気な笑顔が並んで彼女を迎えた。一家中の温い息が登志子の身辺に集まって、彼女のはりつめた心がようようにほぐれかけた。しかしそこにまだ永田....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
、思うてここに到る毎に、お通は執心の恐しさに、「母上、母上」と亡母を念じて、己が身辺に絡纏りつつある淫魔を却けられむことを哀願しき。お通の心は世に亡き母の今もそ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
古女房と二人、京橋三十間堀裏のバラック建のアパアトの小使、兼番人で佗しく住んだ。身辺の寒さ寂しさよ。……霜月末の風の夜や……破蒲団の置炬燵に、歯の抜けた頤を埋め....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
切の苦労が煙のように消えて了うのでした。当時の習慣でございますから、むろん命の御身辺には夥多の妃達がとりまいて居られました。それ等の中には橘姫よりも遥かに家柄の....
思い」より 著者:伊丹万作
これらのラジオは同じ政府の指導のもとに、同じ社会の一文化現象として、現に我らの身辺に存在しているのである。このような歌曲が行われ、あのような浪花節が喜ばれ、ま....
暗号数字」より 著者:海野十三
うと、政府にとってたいへんな損害ですから――それから云うまでもありませんが、十分身辺を警戒して下さい」 そういって木村事務官は、車馬賃として金一万円也の紙幣束....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
来たり、いちいち怪事の顛末を語れり。その談話によるに、かの怪声は、必ずかの少女の身辺において発し、少女のおらざる所にては決して聞くことなし。かつ、かの怪声は、最....
わが母を語る」より 著者:上村松園
という気持はけちな気持とは全然ちがうと思います。すべき時には、ずばっとやり、わが身辺には、心を使って無駄をしない。この心がけはいつの世にも貴いものだと思います。....