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身重
「身重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
出て来る。
――今月も生み月になっている妃《きさき》が六人いるのですからね。
身重《みおも》になっているのを勘定したら何十人いるかわかりませんよ。
――それ....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
ン屋根に足跡が印《しる》されてあった。 行一も水道や瓦斯《ガス》のない不便さに
身重の妻を痛ましく思っていた矢先で、市内に家を捜し始めた。 「大家さんが交番へ行....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この女は以前両国辺のある町人の大家に奉公しているうちに、そこの主人の手が付いて、
身重になって宿へ下がって、そこで女の子を生んだのです。すると、主人の家には子供が....
「俊寛」より 著者:菊池寛
俊寛にとって、子供ができるということは普通人の想像も及ばない喜びだった。俊寛は、
身重くなった妻を嘗めるように、いたわるのであった。翌年の春に、妻は玉のような男の....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
もなく、陋巷に窮迫しているという有様だった。而も、安蔵は病の床に伏し、妻の清子は
身重だった。 二人はだから、僕の願いを直ぐ聞入れて呉れた。 他には別に面倒は....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬ。わたくしが、それもえせずに、どうやら生き永らえて居りましたのは、間もなく私が
身重になった為めで、つまり私というものは、ただ子供の母として、惜くもないその日そ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
医者の指図するがままに断然その邸をあとにして、ピザへ出発した。そのおり彼の新妻は
身重であったので、夫と一緒に旅立つことが出来なかった。 「以上はガブリエル夫人が....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
雲隠り鳴き往く鳥の哭のみし泣かゆ 〔巻五・八九八〕 山上憶良 山上憶良の、「老
身重病経歌七首長一首短六首」の短歌である。長歌の方は、人間には老・病の苦しみがあ....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
らっしゃって上様と同じ道を行らっしゃるのはむずかしゅうございましょう。それに又、
身重の人の死んだのは殊に罪深いときいて居ります。身々とも御なりになったのち幼き御....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
に何か固くしこるような、玉でもくくんでいるような、妙なお気持ちでしたが、やがてお
身重におなりになりました。 さて翌年の正月元日の朝、お妃はいつものように御殿の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
中にこう云われると、否応ない。お久美は姙娠八ヶ月。父の野辺の送りのすんだ直後に、
身重の身を一人とりのこされては生き行くスベもなかろう。そこで、おそるおそる、 「....
「印象」より 著者:小酒井不木
たとき私は別人ではないかと思いました。 診察をすると、夫人はやはり妊娠九ヶ月の
身重でしたが、それと同時に夫人は肺結核に罹って居たのであります。胎児の位置は正常....
「妖怪学」より 著者:井上円了
体に二種あり。その一種ここにありて、他の一種かれに遊ぶによると解釈せり。これを一
身重我説と名づく。重我とは、我に二重の体ありて、内外相合してこの一身を成立するを....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
。古代の愚民は、万物おのおのその霊ありて奇異の作用を現ずるなりと信じ、あるいは一
身重我といいて、一身に二様の我ありて、その一は一方に住止するも、他の一は他方に出....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ひとつ呼んだことがない。夫人は先ず船中一の美人であろう。細っそりして、色が白い。
身重で、時には面やつれがして見えるが、そのせいか何かコケチッシュにも感じられる。....