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身銭
「身銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
岸通りに焼鳥屋の屋台を張る位の甲斐性者になれと意見してくれた。 その夜は北田が
身銭を切って、自分の宿へ泊めてくれることになった。食事の時小鈴が給仕してくれたが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
文の銭《ぜに》をもらって、そっとかの材木を倒したのであると云った。しかし勝次郎は
身銭《みぜに》を切って、なぜそんな悪い知恵を授けたのか、それは利助も知らないらし....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
を口実に余分のものを取立てるという的があるでも無し、つまりは自分の好きで、自分の
身銭を切って大勢の弟子の面倒をみていると云うわけでした。 市川さんはその頃四十....
「縮図」より 著者:徳田秋声
銀子の場合に限らず、揚げ見はどこの土地にもあり、少し売れる子供だとなると、桂庵が
身銭を切り、お茶屋へ呼んで甘い言葉で誘いかけ、玉の引っこぬきに苦肉の策を用いる手....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
、多い時には二十人以上が言葉通りに鮨づめか刺身づめにされるのでは、大抵の留置人は
身銭を切っても留置場増設を引き受けたくなるだろう。(そういう事実は調査して見たら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
……いやどうも、これでわっしも性分でしてね、頼まれるといやといえないのみならず、
身銭《みぜに》を切ってまで突留めるところは突留めないと、寝覚めの悪い性分でゲスか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ることは、こんな些細なことまでも違ったものであります。道庵などは、貧乏人のくせに
身銭《みぜに》を切って馬鹿囃子を雇い、家業をそっちのけにして騒いでいるのに、大尽....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は絶えなかったが、後家さんは闊達《かったつ》なもので、愛嬌で泊り客をなめまわし、
身銭《みぜに》をきっておごってみたり、踊りの時などは、先へ立って世話を焼いたりす....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
ぐ前であったが、忙しい中から同郷の友達等が入り代り見舞に来てくれ、みんな足しない
身銭を切って菓子だの果物だのと持って来ては、医員に叱られるような大きな声で愉快な....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
った。なお、大阪市内だけだが、新聞に三行広告も出してやった。 無論、全部おれが
身銭を切ってしてやったことで、なるほどあとでの返しはそれ相当に受け取りはしたが、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
く、まことに気性の潔い、正直|真ッ法で、それに乾児のものなどに対しては同情深く、
身銭を切っては尽くすという気前で、自分の親のことを自慢するようであるが、なかなか....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
なったから、バカな私は有頂天になって、オウ、イエス、シュア、シュア! とばかり、
身銭を切って恐ろしく方々へ、この秘書を引っ張り廻してくれた。 大島へ行って、三....
「放浪」より 著者:織田作之助
岸通りに焼鳥屋の屋台を張る位の甲斐性者になれと意見してくれた。 その夜は北田が
身銭を切って、自分の宿へ泊めてくれることになった。食事の時小鈴が給仕してくれたが....
「すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
ーイはただ笑っているだけで、ボーイ長に伝える気振りもない。重ねて、 「料理屋で、
身銭を切って食べるのになんの遠慮がいるものか。こちらがお客だ。もっと堂々と言って....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
である。味を身につけるには、客からのご馳走でなく、板前からの宛てがい扶持でなく、
身銭を切って食ってみること。本気でそれを繰り返してこそ、初めて味が身につき、おの....