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「躯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の万歳をもう一度繰り返した。若者を桟橋に連れて行った、かの巨大な船員は、大きな体躯《たいく》を猿《ましら》のように軽くもてあつかって、音も立てずに桟橋からずしず....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
いはありません。父は道庁への交渉と資金の供給とに当たりました。そのほか父はその老躯《ろうく》をたびたびここに運んで、成墾に尽力しました。父は、私が農学を研究して....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《ね》を聞くと斉《ひと》しく身を起こして、ひらりと御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は貴公子のごとく華車《きゃしゃ》に、態度は森厳《しんげん》にして、そ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に当る）が巨人イューメル（Ymer すなわち、ティアマートに当る）を殺し、その体躯から天と地を造りまたその血から大洋を造ったというのである。しかし、ここで北国民....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。」 「はてな、……」 とのみで、俊吉はちょっと黙った。 女中は、その太った躯を揉みこなすように、も一つ腰を屈めながら、 「それに、あの、お出先へお迎いに行....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
しかも、こっちを、銑吉の方を向いて、髯をぴちぴちと動かす。一疋七八分にして、躯は寸に足りない。けれども、羽に碧緑の艶濃く、赤と黄の斑を飾って、腹に光のある虫....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
――いや、抱くなどというのは憚かろう――霜より冷くっても、千五百石の女※の、石の躯ともいうべきものに手を添えているのである。ただし、その上に、沈んだ藤色のお米の....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の状態に置かれ、そして彼女とは全然別個の存在――小櫻姫と名告る他の人格が彼女の体躯を司配して、任意に口を動かし、又任意に物を視せるのであります。従ってこの物語の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
授の神律に対する絶対服従の必要を、地上の人類に強調せんとする時、うっかり霊媒の体躯に対する顧慮を失い、図らずも汝に苦痛を与えることになった。今度はつとめて心の平....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ったり来たりした。と、私はある日母がその服を著て、「ロベエルや、よござんすか、体躯をまッすぐにしてないと猫背になってしまって、一生なおりませんよ」と、私に云って....
「多神教」より 著者:泉鏡花
行く。 丁々坊 ははは、この梟、羽を生せ。（戯れながら――熊手にかけて、白拍子の躯、藁人形、そのほか、釘、獣皮などを掻き浚う。） 巫女 さ、このお娘。――貴女様....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
十二歳で、人びとの尊敬の的となり、全国民の哀悼のうちに亡くなったのである。その亡躯は、赤いズボンをはいた兵士達に護られて墓へ運ばれ、白いネクタイをかけた人たちが....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
士連が来た、なお気丈夫じゃあないか。」 と、図に乗っていった。が、この巨大なる躯は、威すものにも陰気を浴せた。それら天井を貫く影は、すっくと電燈を黒く蔽って、....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ながら虫をあさっている。豆のような小禽とはいうものの枳殻の実ほどはある。それに、躯に比較しては長過ぎる二三寸の尾を動かしながら頻りに逆に松の枝へ吊さっては餌をむ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
塞に後退し、爾後両軍相対峙する事となった。 大王と墺軍の間には複雑怪奇の外交的躯引が行なわれ、墺軍は大王と妥協して十月シュレージエンを捨て巴（バイエルン）・仏....