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軈
「軈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「振動魔」より 著者:海野十三
の辺を軽く押したとすると、最初は軟い餅でも突いたかのようにグッと凹みができるが、
軈てその指尖の下の方から揉みほぐすような挑んでくるような、なんとも云えない怪しい....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
くなれ!」 彼は両眼をカッと見開き、この一見意味のない台辞を嘔きちらしていたが
軈てブルブルと身震いをすると、パッと身を飜して駈け出した。 「それッ、逃がすな!....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ろと変なことばかりが重った。時子の顔と思ったのは、その弟である君の顔だという事に
軈て気がついた。しかし其の時私は、時子の弟が、あからさまに時子の呪いを奉じて私を....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
方へ切換えると「応諾」の符号を送りました。波長は四・五メートルを指していました。
軈て相手からは、生々とした返事がありました。其のシグナルはまことに微弱である上に....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
慢が出来なかった。仕方なく落下傘を少しずつやぶっては燃料にした。 松井田の姿は
軈てこっそり麓村に現われた。それから間もなく、一周機の失跡も知った。彼は名のって....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
筋書どおりにチャンスが向うからやって来るまで、なんの積極的な行動もとらなかった。
軈てチャンスは思いがけなく急速にやって来た。というのは、B子がその夫君と四五日間....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ぱり出した。長造の眼は、釘づけにでもされたように、その紙面の一点に止っていたが、
軈てしずかに両眼は閉じられた。その合わせ目から、透明な水球がプツンと躍りだしたか....
「赤外線男」より 著者:海野十三
を投げつけているように思いましたが、それも五分、十分と経つうちに段々静かになり、
軈て何にも聞えなくなりました。私は赤外線男がまだ此の室へ引返してくるのではないか....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
なかった。今日一日で仕事が打切りになると云う事も、一つの大なる期待ではあったが、
軈て現われ来るべき大事件は若い好奇心と敵愾心とを極端に煽り立てて、私は勇士を乘せ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
つけたのです。本は兄の身体から三十センチ程手前でバサッという物音がしてぶつかると
軈てドーンと床の上に落ちて来ました。 一冊、又一冊。四五冊|抛げつづけている間....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
ので、二人の少年はすぐ仲善しになってしまった。この仲善しは、年と共に濃厚になり、
軈て大学を卒業すると二人はこれまでのように毎日会えなくなるだろうというので、女学....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
に従って路の上に含有される人間の密度が多くなって来たが、それは益々増える一方で、
軈てのこと科学者は人間の群から圧迫せられてどうにも動けなくなった時、彼自身が縁日....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
が、あれは何時出したら宜かろうか」と聴いて見ました。そうしたら「そうだね、それは
軈て一週間程すると僕の四十九日が来るから、その時に一つ出して貰いたい」こういう話....
「科学時潮」より 著者:海野十三
プの役目を演ずるわけである。 で、一行は愈々死の谷へ発足した。山又山を越えて、
軈て死の谷の近くへ来た。一行は望遠鏡の力を借りて観測した。白い蒸気のようなものが....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
んと凹んで、その凹んだ草鞋のあとは、幾山雨のため数箇月の後には平らめにならされ、
軈てまた新たなる蟻の塔が此の無人の境に建設されてゆく。 峰頂を踏んで、躑躅や山....