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「車券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

車券の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
指と指環」より 著者:佐左木俊郎
えた指、乗合自動車の吊り革を掴《つか》む女達の指。市内電車の中で手持ち無沙汰に乗車券を弄《もてあそ》ぶ女達の指。百貨店の女店員達の忙しく動いている指。赤黒い指、....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
たし。 二十七日、同じく頭痛す。 二十八日、少許《すこし》の金と福島までの馬車券とを得ければ、因循《いんじゅん》日を費さんよりは苦しくとも出発せんと馬車にて....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
△四谷三丁目→浜松町 △新宿→荻窪 ◯列車乗車制限(軍公務、緊急要務者以外は乗車券を発売せず) ◯東海道線=東京→小田原 ◯中央線=東京→大月 ◯東北線=東京....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
。随って、順一は食糧も、高子のところへ運ばねばならなかった。五日市町までの定期乗車券も手に入れたし、米はこと欠かないだけ、絶えず流れ込んで来る。……風呂掃除が済....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くとき乗った頃には、まだ地下フォームも明るかったのに、今は暗く、車内もくらく、乗車券にペンチを入れず、映画館の入口でモギリの女がやっていた通り、あいまいな顔つき....
沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
上に寝そべってる者もありました。その片端に、八重子は腰を下しました。――一枚の乗車券を手に入れるために、徹夜して長い行列をつくる、そういう時代だったのであります....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
すぎると、予想は当らなくなる一方だそうである。 選手がトラックに現れて一周し、車券の発売が〆めきられるまで、ガラス張りの小部屋の中に、番号順に腰かけて、毛布で....
裏切り」より 著者:坂口安吾
じゃないか」 とグッとオモムキを変えて後楽園の競輪場へ行きました。行った以上は車券も買ってみないわけにいかないので、車券を買いに行きましたが、後楽園競輪で車券....
発明小僧」より 著者:海野十三
る。およそ人間というものは、しつけの悪いもので、電車に乗って金と引換えに切符や乗車券を渡して置くと、「折らないで下さい」と再三注意を与えて置くにも係らず、下車の....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
不慮の出来事に就いて自分はまったくなんにも知らないと吶りながらに釈明した。 「乗車券をみせて下さい。」と、車掌は奪うように彼の手から切符を受取って見た。「Kの駅....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
シリ、レースを見ることができないほどの混雑、満員の盛況であったが、レースが終って車券を買いに行くのは、その五分の一にも足らないぐらいの人数である。それでも一レー....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
説明に曰く、 「御覧の如く孤影愕然と、また独り悠々とゴールイン。もちろん一着!」車券が外れて、よほど口惜しかったんだね。しかし、情景目にみる如く、名文ですよ。 ....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
の日から私は千代子のあでやかな姿を見た。千代子はほかに五六人の連れと同伴に定期乗車券を利用して、高田村の「窮行女学院」に通っているので、私は朝夕、プラットホーム....
樹氷」より 著者:三好十郎
欠く。「ガアガアガア……次の信越線列車は九時三十分に発車の予定でございますが、乗車券をお持ちの方は改札口左手の方に行列……(不明瞭)……乗車券をお買求めの方は切....
それから」より 著者:夏目漱石
けたら、三千代に遣った旅行費の余りが、三折の深底の方にまだ這入っていた。代助は乗車券を買った後で、札《さつ》の数を調べてみた。 彼はその晩を赤坂のある待合で暮....