車夫[語句情報] » 車夫

「車夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

車夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
ごみごみした横町《よこちょう》に、麦藁帽《むぎわらぼう》をかぶった支那《シナ》の車夫が、所在なさそうにうろついている。……… 「だがお前はあの部屋にいるのは、嫌....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
された事、入梅《にゅうばい》で書物が大半｜黴《か》びてしまった事、抱《かか》えの車夫が破傷風《はしょうふう》になった事、都座《みやこざ》の西洋手品を見に行った事....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
かじぼう》を下しました。もう鼠色のペンキの剥《は》げかかった、狭苦しい玄関には、車夫の出した提灯《ちょうちん》の明りで見ると、印度《インド》人マティラム・ミスラ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
立つが早いか、彼は両手を挙げないばかりに、車上の青年へ声をかけた。 「兄さん！」車夫は体を後《うしろ》に反《そ》らせて、際《きわ》どく車の走りを止めた。車の上に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い。俺は今朝《けさ》九時前後に人力車《じんりきしゃ》に乗って会社へ行った。すると車夫は十二銭の賃銭《ちんせん》をどうしても二十銭よこせと言う。おまけに俺をつかま....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、悲しいのか、自分にも判然しないほど、ただ無性に胸が迫って、けげんな顔をしている車夫の手へ、方外《ほうがい》な賃銭を渡す間も惜しいように、倉皇《そうこう》と店先....
「或る女」より 著者:有島武郎
煙《けむ》った空気に包まれて聞こえて来た。葉子《ようこ》は平気でそれを聞いたが、車夫は宙を飛んだ。そして車が、鶴屋《つるや》という町のかどの宿屋を曲がって、いつ....
「或る女」より 著者:有島武郎
んじょう》な、角《かど》地面の一構えに来て、煌々《こうこう》と明るい入り口の前に車夫が梶棒《かじぼう》を降ろすと、そこにはもう二三人の女の人たちが走り出て待ち構....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、この内の角へ車を下ろしたろう。 そろそろ引返したんです、母様がね。休んでいた車夫に、今のお嬢さんは真中の家へですか。へい、さようで、と云うのを聞いて帰ったの....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
お供はどうで、」 と停車場前の夜の隈に、四五台｜朦朧と寂しく並んだ車の中から、車夫が一人、腕組みをして、のっそり出る。 これを聞くと弥次郎兵衛、口を捻じて片....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
る。烏がカアと鳴いた。 こうなると、皆化ける。安｜旅宿の辻の角から、黒鴨仕立の車夫がちょろりと鯰のような天窓を出すと、流るるごとく俥が寄った。お嬢さんの白い手....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
店さきを通りかかって、軒にはたはたと鳴る旗に、フト楫を持ったまま仰いで留る。 「車夫。」 「はい。」と媚しい声、婦人が、看板をつけたのであった、古市組合。 ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、石垣高く松を繞らし、廊下で繋いで三棟に分けた、門には新築の長屋があって、手車の車夫の控える身上。 裳を厭う砂ならば路に黄金を敷きもせん、空色の洋服の褄を取っ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
り立ちすくんでしまいました。 そこへ又通りかかったのは、年をとった支那人の人力車夫です。 「おい。おい。あの二階に誰が住んでいるか、お前は知っていないかね？」....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
弁ぜず、乱雑して人語を明らめがたし。我自ら我身を顧りみれば孑然として小虫の如く、車夫に罵しられ馬丁に叱られ右に避け左にかがまりて、ようやくに志す浅草三間町へたど....