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「車宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

車宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
官《とうほうがん》の屋敷を、表から襲った偸盗《ちゅうとう》の一群は、中門の右左、車宿りの内外《うちそと》から、思いもかけず射出した矢に、まず肝を破られた。まっさ....
栗の花の咲くころ」より 著者:佐左木俊郎
。」 「その家には、離室《はなれ》でも、別にあるのかね?」 「離室って、前に、馬車宿をしてたもんだから、そん時の待合所を奥さ引っ込んで、どうにか人が寝泊まり出来....
二百十日」より 著者:夏目漱石
て、阿蘇町さ。しかもともかくもの饂飩《うどん》を強《し》いられた三軒置いて隣の馬車宿だあね。半日山のなかを馳《か》けあるいて、ようやく下りて見たら元の所だなんて....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は桜木町の駅から真直に山下町の日米聖書会社に向った。 会社の直ぐ筋向うに一軒の車宿があったので、それとなく聞いて見ると、通常こう云う所では後のかゝり合いになる....
」より 著者:島崎藤村
ぱい飲まして」 とお雪は懐をひろげて、暗い色の乳首を子供の口へ宛行った。お延は車宿を指して走って行った。 甥に留守を頼んで置いて、一寸三吉は新宿の停車場まで....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
のうえに散らかったものを、折鞄に仕舞いこんで、外へ飛びだすと雨のふるなかを近所の車宿まで草履ばきのまま歩いて行った。 庸三は汽車のなかで、その時の頑な態度と、....
僕の昔」より 著者:夏目漱石
根津《ねず》の大観音《だいかんのん》に近く、金田夫人の家や二弦琴《にげんきん》の師匠や車宿や、ないし落雲館《らくうんかん》中学などと、いずれも『吾輩《わがはい》は描《....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
が、尾をバサリと振るたびに、灰神楽をあげたように、黒いのが舞いあがる、この茶屋は車宿をしているが、蚕もやるらしく、桑の葉が座敷一杯に散らかって、店頭には駄菓子、....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
女《ひと》だから、そのうちに書かなければならない。 学校の一軒さきに大きな人力車宿《くるまやど》があって、お勘《かん》ちゃんという、色は黒いが痩《やせ》がたな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
た。 銀一とお志乃は車にのって稼ぎにでる。車夫を抱えると月給がいるから、近所の車宿の太七という老車夫と予約し、二人のアンマ代には車代も含まれているという仕組み....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
すし、銀行にもなりましたが、いつかその跡もなくなりました。 そこらに宅の出入の車宿がありましたが、その親方がいつも、「御前様が、御前様が」といいますから、「御....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
なるまい、というバルトリの意見であったが、その村に着いたのはちょうど夕飯時で、馬車宿の炊事場の大きな窓からは、豚のカツレツを揚げる煙りや、キャベツのスウプの匂い....
女強盗」より 著者:菊池寛
官に話した。長官は驚いて家の中を捜索した。すると、例の血痕が北の対(離れ座敷)の車宿(車を入れておく建物)にこぼれているのが分った。北の対と云えば、官邸に使われ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
主徳大寺公能の侍所に、別れた弟子を訪うた日、常ならぬ貴紳三人の客の牛車を、内門の車宿に見ました。――この朝臣の三車が道を別れて帰るところから、二条天皇と後白河上....