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車窓
「車窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
車窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ピタリと停まり、しかもジンジンとエンジンを高鳴らしながら徐々に逆行してきた。その
車窓からは、立派な河獺の襟のついたインバネスを着た赭ら顔の肥満紳士がニコやかな笑....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
鯨ヶ丘と呼ばれる丘の上に立っている古風な赤煉瓦の洋館である。私もはじめて赤耀館を
車窓から仰いだのであるが、正直なはなし、余りいい感じがしなかった。あの事件の当時....
「蠅男」より 著者:海野十三
は出るらしく、ホームのベルはけたたましく鳴りだした。 そのとき人の垣をわけて、
車窓にとびついた一人の紳士があった。これは村松検事だった。 「ああ、間にあってよ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
炎々と燃えつづけているのを見て、「畜生、かたきをうつぞ」と心に叫ばしめた。帰途は
車窓が山側に位していたので肝腎の南側の方は見られなかった。しかし山側を見ていると....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
観光道路で、白地に黒線のマークを入れた道路標識が、スマートな姿体で夜目にも鮮かに
車窓を掠め去る。 やがて自動車は、ひときわ鋭いヘヤーピンのような山鼻のカーブに....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
た額の半分ばかりを撫で廻わす。 「あ、オバ○!」 不意の声をたてたのは反対側の
車窓から氏を見た子供であった。葉子は暗然として息を呑んだ。 「すっかり、やられた....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のに就いてすこぶる興味をもっている。汽車旅行をして駅々の停車場に到着したときに、
車窓からその停車場をながめる。それがすこぶるおもしろい。尊い寺は門から知れると云....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
。 列車旅行は、ますます不愉快さを高めていった。列車が、駅へつくたびに、彼は、
車窓から顔を出して、もしやアンの乗っている列車が、同じホームについて、待っていな....
「空襲警報」より 著者:海野十三
りました。そういうわけで、この列車も、毒瓦斯が車内に入ってくるのを防ぎますため、
車窓も換気窓も、それから出入口の扉も絶対にお開けにならぬように願います。もちろん....
「暗号数字」より 著者:海野十三
そのほかのことは、まだどうにもはっきりさせようがなかった。帆村はノートを閉じて、
車窓の向うにぐんぐん流れゆく田園風景に目をやった。畑はどこも青々としていて、平和....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
いうものに就て頗る興味を有っている。汽車旅行をして駅々の停車場に到着したときに、
車窓からその停車場をながめる。それが頗る面白い。尊い寺は門から知れるというが、あ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
なものだが、さて汽車から下りて見ると、絵にするところは存外少い、なぜであろうか。
車窓から見て、どこでも面白く感ずるのには、種々な原因がある。一つ一つ絵に見えるの....
「西航日録」より 著者:井上円了
、あたかも陸上における太平洋のようであった。) 万里長途一物無、唯看春草満平蕪、
車窓認得人烟密、汽笛声中入露都。 (万里をゆく道は一物として見えず、ただ春草の平....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
はみな巌石より成り、峰頂に至れば一株の樹なく、一根の草なく、ただ残雪を見るのみ。
車窓よりこれを望むに、渓流のあるいは走りて川となり、あるいはたたえて湖となり、風....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
て速力がにぶると、急に雪が降りだした。粒が細かくて堅く結晶した雪だということは、
車窓にふきつけるサッサッササ……という音でわかった。線路近くのエゾ松林に、防雪林....