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車賃
「車賃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
車賃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
《おり》に折った十円札を出した。
「これはほんの少しですが、東京|行《ゆき》の汽
車賃に使って下さい。」
保吉は大いに狼狽《ろうばい》した。ロックフェラアに金を....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
時間はない。帰って貰おう」と怒鳴《どな》りつけた。青年はまだ不服そうに、「じゃ電
車賃だけ下さい。五十銭貰えば好《い》いんです」などと、さもしいことを並べていた。....
「葱」より 著者:芥川竜之介
代《まだい》、米代、電燈代、炭代、肴代《さかなだい》、醤油代、新聞代、化粧代、電
車賃――そのほかありとあらゆる生活費が、過去の苦しい経験と一しょに、恰《あたか》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
した時には、たたきつけるような吹き降りでございます。私は門の前で※々《そうそう》
車賃を払って、雨の中を大急ぎで玄関まで駈けて参りました。玄関の格子には、いつもの....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
乗せますが、やあ、殿。) (堪らない! 臭くって、) と手巾へ唾を吐いて、 (
車賃は払っておくよ。) で、フイと分れたが、さあ、踏切を越すと、今の車はどこへ....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
っている両親のない三十歳以内の婦人で、東京方面へ旅行をしたいという人の為めに、汽
車賃と滞在費と、それから小遣いの三通りの経費を全部提供して、全く無料の暢気な旅を....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、それからものものしい借用証書に署名して、やっと放免された。 それから彼は、乗
車賃の借りをかえすためにも又生活をするためにも、金が必要だったので、英蘭銀行へい....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
面の狡猾さで、図々しさが抜目なく働き出してきました。彼は尾行をおどかしおどかし電
車賃を立替えさせたり、食べ物屋に案内させたりすることを、一人前の仲間になったつも....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。お供もないもんだ。ここをどこだと思ってる。 電車が無いから、御意の通り、高い
車賃を、恐入って乗ろうというんだ。家数四五軒も転がして、はい、さようならは阿漕だ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
にも掛けず、ほっと安心したように立直ったと思うと、 「車夫さん、はい――……あの
車賃は払いましたよ。」 「有るよ。」 「威張ってさ、それから少しですが御祝儀。気....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
料を借りて来ましたから、肌のものまで。……ちょっと、それにお恥かしいんだけど、電
車賃……」 (お京さんから、つい去年の暮の事だといって、久しく中絶えたお妻のうわ....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
オン帽を戴いているという始末で、とにかく珍らしくもあり、また立派なものでした。乗
車賃は下が高く二階は安うございました。多分下の方の乗
車賃は芝口から浅草まで一分だ....
「競馬」より 著者:犬田卯
くれまいかね。僕はね、今日運が悪くて五百円ばかりすっちまったんだ。東京へかえる汽
車賃も、子供らへ買って行く土産代も、何もかも、本当に一文なしになっちまったんだ。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
階造りを挟み、高低不規整なり。午前十一時、汽車にて帰船す。(往復十八マイル)の汽
車賃、九ペンスすなわちわが三十六銭。汽車に一等、二等ありて三等なきは、豪州の特色....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
まとは全く違ったものになっていたであろう。初めの奉公先を飛び出した十五のころ、汽
車賃が足らず伊勢参りをやめて横浜へ流れたとき、木曜島に売り飛ばされる寸前、香港で....