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車輛
「車輛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
車輛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ケルミッシュが全資産を注ぎこみ、いよいよ準備成った翌年の三月、蜿蜒《えんえん》の
車輛をつらねる探検隊が察緬《リーミエン》をでた。そこから大理《タリ》、大理から麗....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
に解《ほご》れて点となる。点は右へと左へと動く。しばらくすると、無敵な音を立てて
車輛《しゃりょう》の戸をはたはたと締めて行く。忽然《こつぜん》としてプラットフォ....
「初秋の一日」より 著者:夏目漱石
どガラス》に、砕けた露《つゆ》の球《たま》のようなものが見え始めた。自分は閑静な
車輛《しゃりょう》のなかで、先年英国のエドワード帝を葬《ほうぶ》った時、五千人の....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
くと、車は止まっていた。かれは首を挙げてみた。 楊樹の蔭を成しているところだ。
車輛が五台ほど続いているのを見た。 突然肩を捉えるものがある。 日本人だ、わ....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
いうものは、莫大なものだよ。もう判ったろうね。三の字なんて、荷物を送った列車と、
車輛と、その荷物との目印に使ったものに過ぎないんだよ。それを、変に勘違いしたお前....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
い込まれて行った。S病院の西側には、低い力のこもった号令で、砲兵隊が、がちゃ/\
車輛をゆるがして砲列を敷いていた。兵士たちは黙って進んだ。青みかかった雲は、東方....
「李陵」より 著者:中島敦
たまたまある輜重車《しちょうしゃ》中に男の服を纏《まと》うた女を発見した。全軍の
車輛《しゃりょう》について一々調べたところ、同様にしてひそんでいた十数人の女が捜....
「鏡の中の月」より 著者:宮本百合子
掠め、露天に砂利を敷いたプラット・フォームにかかるのであるが、機関車から二つ目の
車輛にいた瀧子は、汽車が止りかけると、降りようとする人波にさからいながら急に無理....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
うなことを言い廻って、坑夫等をなだめていた。 僕は日本に帰るとすぐ、最近本所の
車輛工の同盟罷工で、友愛会の労働総同盟がそれに似た罷工破りをやった話を聞いて、ど....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
学習院の角の駐車場に車がいて、それをつかまえて四十分前に東京駅へつきました。まだ
車輛が入ってもいまいと思ったら、九分どおりの人がのっていて、びっくりしました。寿....
「緑衣の女」より 著者:松本泰
きらないうちに、彼は歩廓に飛下りて、逸《いち》早く改札口に向かったが、彼の乗った
車輛は最後車の次であった為に、改札口を出たときは、既に一団《ひとかたま》りの人々....
「キド効果」より 著者:海野十三
此処は奥地を走る列車内のことである。こんなあられもない言葉を吐き出す一団が、ひと
車輛全部を貸切りにしていても、あえて驚くにはあたらない。 この一団というのは、....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
みたい。――即ち、偶然というものは、続き出すときりがない……と。) 亀吉が同じ
車輛に乗り合わせていたのだ。 しかし、小沢は亀吉の顔には見覚えはなかった。たと....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
あたったかと思うと、列車は滑《なめら》かに昇降場《ケエ》をすべり出し、貨物倉庫や
車輛のそばをすり抜け、分岐線をがたがたと飛び越えてから、汽笛一声、マルセーユの市....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れからまた麦酒をグッとひとあおりだ。 「あん爺さんもおもしろか。何でん、下の関で
車輛会社をやっとるちいよったが、うん、やっぱり変っとる。いまに酒でん提げて来させ....