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車輪
「車輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
車輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
出る火花だか判然しない。その中でただ、窓をたたく、凍りかかった雨の音が、騒々しい
車輪の音に単調な響を交している。
本間さんは、一週間ばかり前から春期休暇を利用....
「白」より 著者:芥川竜之介
い黒犬が一匹、稲妻《いなずま》のように踏切へ飛びこみ、目前に迫《せま》った列車の
車輪から、見事に実彦を救い出した。この勇敢なる黒犬は人々の立騒《たちさわ》いでい....
「少年」より 著者:芥川竜之介
うに消滅した。今はただ泥だらけの荷車が一台、寂しい彼の心の中《うち》におのずから
車輪をまわしている。……
保吉は未《いま》だにこの時受けた、大きい教訓を服膺《....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
人はこの騒擾の間、終始御者の様子を打ち瞶《まも》りたり。 かくて六箇《むつ》の
車輪はあたかも同一《ひとつ》の軸にありて転ずるごとく、両々相並びて福岡《ふくおか....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
符を胸に垂らしていたが、その一つは月の鎌の形をしており、第二のものは輻を具備した
車輪か、あるいは十字(太陽の象徴)の形をしており、また第三のものは一つの輪で囲ま....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
車というのです。小僧が泣き、車力が泣き、車が泣くというので、三泣車といったので、
車輪は極く小くして、轅を両腋の辺に持って、押して行く車で、今でも田舎の呉服屋など....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ます。 ああ、もしもし、」 と街道へ、 「休まっしゃりまし。」と呼びかけた。
車輪のごとき大さの、紅白|段々の夏の蝶、河床は草にかくれて、清水のあとの土に輝く....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
……………沢村さしみ 一………………………………中村 洋食 初日出揃い役者役人
車輪に相勤め申候 名の上へ、藤の花を末濃の紫。口上あと余白の処に、赤い福面女に....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ろの砂地が、うずのながれの所までつづいていて、そのながれはうなりを立てて、水車の
車輪のようにくるりくるりまわっていました。そうして、このうず巻のなかにはいってく....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
る恐る、一番|端にあるトロッコを押した。トロッコは三人の力が揃うと、突然ごろりと
車輪をまわした。良平はこの音にひやりとした。しかし二度目の
車輪の音は、もう彼を驚....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
も通る。……ザザッ、ごうと鳴って、川波、山颪とともに吹いて来ると、ぐるぐると廻る
車輪のごとき濃く黒ずんだ雪の渦に、くるくると舞いながら、ふわふわと済まアして内へ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
あるわけだから、駅の中心からいくらも離れていない。したがつて汽笛の音、蒸気の音、
車輪の音、発車のベルの音その他、すべて鉄道事業の経営に付随する各種の音響は遠慮な....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
軽い粉はこれに巻き込まれるためだということを明かにした。また後の論文は、廻転せる
車輪の歯の間から物を見るような場合に起る錯覚の議論で、今日の活動写真の基礎を開い....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
てあった。儀作は何ということなしに、その重い車体を少し持ち上げて、それから一方の
車輪に手をかけ、くるくるとそれを廻してみた。すると鹿毛は、いよいよ山へ行けるのか....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は、切組、描割で引包んだ祇園の景色。で、この間、枝ぶりを見て返ったばかりの名木の
車輪桜が、影の映るまで満開です。おかしい事には、芸妓、舞妓、幇間まじり、きらびや....