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軋
「軋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。が、彼等は彼等自身のために、彼の意嚮《いこう》には頓着なく、ほとんど何事にも
軋轢《あつれき》し合った。そこには何か宿命的な、必然の力も動いていた。彼は敵味方....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ててこれに便《たよ》りぬ。車夫はその不景気を馬車会社に怨《うら》みて、人と馬との
軋轢《あつれき》ようやくはなはだしきも、わずかに顔役の調和によりて、営業上｜相干....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の蹴込み、友染の背当てした、高台細骨の車があった。 あの、音の冴えた、軽い車の
軋る響きは……例のがお出掛けに違いない。昨日東京から帰った筈。それ、衣更えの姿を....
「春昼」より 著者:泉鏡花
か。」 「真箇ですね。」 「昔、井戸を掘ると、地の下に犬鶏の鳴く音、人声、牛車の
軋る音などが聞えたという話があります。それに似ておりますな。 峠から見る、霧の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
るのか――ぐしょ濡れで裾から雫が垂れるから、骨を絞る響であろう――傘の古骨が風に
軋むように、啾々と不気味に聞こえる。 「しいッ、」 「やあ、」 しッ、しッ、し....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
三人に床几を貸した古女房も交って立つ。 彼処に置捨てた屋台車が、主を追うて自ら
軋るかと、響が地を畝って、轟々と雷の音。絵の藤も風に颯と黒い。その幕の彼方から、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
しょう。」 と小村さんが銚子を持ったのに、左右に手を振って、辷るように、しかも
軋んで遁げ下りる。 「何だい。」 「毒だとでも思いましたかね。してみると、お互の....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
うに暑かったと云った。 主人が主人で、出先に余り数はなし、母衣を掛けて護謨輪を
軋らせるほど、光った御茶屋には得意もないので、洋傘をさして、抱主がついて、細かく....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
た、貴女の優しい、仇気ない、可愛らしさも身に染みて。…… 私はな、丸官はんに、
軋々と……四角な天窓乗せられて、鶉の仕切も拷問の柱とやら、膝も骨も砕けるほど、辛....
「橋」より 著者:池谷信三郎
街には雪が蒼白く積っていた。街を長く走っている電線に、無数の感情がこんがらかって
軋んで行く気味の悪い響が、この人通りの少い裏通りに轟々と響いていた。彼は耳を掩う....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
返して居たが、何だか泣きそうな顔になった。 その内別荘へ知らぬ人が来て、荷車の
軋る音がした。床の上を重そうな足で踏む響がした。クサカは知らぬ人の顔を怖れ、また....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
方なしにお雪は微笑む。 「お邪魔をしましたな。」という声ぎっすりとして、車の輪の
軋むがごとく、島野は決する処あって洋杖を持換えた。 「お前ねえ、」 邪気｜自か....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
非命の死と罪悪』の一節は、正に本章の圧巻で、再思三考に値する。人心の悪化、労資の
軋轢、世界現状の行詰等を歎息するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
む。」 踏切の坂を引あげて、寛永寺横手の暗夜に、石燈籠に囲まれつつ、轍が落葉に
軋んだ時、車夫が振向いた。 「婦の友だちだよ。」 「旦那。」 車夫は、藍川館ま....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
風加わり、忽ち霧しぶき立つと見れば、船頭たち、驚破白山より下すとて、巻落す帆の、
軋む音骨を裂く。唯一人おわしたる、いずくの里の女性やらむ、髪高等に結いなして、姿....