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「軍扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軍扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
有難く存じます」 「よいよい」 と云って信玄は、素絹の袖を左右に張ると、トンと軍扇を膝に突いた。 再び軍議に入ったのである。 衆人の前で父の事をこうあから....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
るものを、父は黒骨の扇――丁度他家からおくられた、熊谷直実《くまがいなおざね》の軍扇を摸したのだという、銀地に七ツ星だか月だかがついていたものだ――をもっていて....
桃太郎」より 著者:楠山正雄
を着て、刀を腰にさして、きびだんごの袋をぶら下げました。そして桃の絵のかいてある軍扇を手に持って、 「ではおとうさん、おかあさん、行ってまいります。」 と言っ....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
「あ」 「何事じゃ」 「何人じゃ」 「彼の鎧武者は」 権兵衛は腰にさしている軍扇をさっと拡げた。それは赤い日の丸の扇であった。 「来い」 人夫たちは権兵衛....
“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
ころにつながっていたようだ。 金語楼と歌笑をくらべると、私は躊躇なく歌笑の方に軍扇をあげるが、歌笑は金語楼程度に未来があったかどうかは疑わしい。歌笑は映画に転....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
門は、三十歳、膏の乗った盛りである。蜀紅錦の陣羽織に黄金造りの太刀を佩き、手には軍扇、足には野袴、頭髪は総髪の大髻、武者|草鞋をしっかと踏み締めて、船首に立った....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
なり。 ○新富町守田座、新築落成して、十月三日より開場。狂言は一番目「三国無双瓢軍扇」、二番目「ざんぎりお富」にて、権之助、左団次、仲蔵、半四郎、翫雀ら出勤す。....
南北」より 著者:横光利一
んなこと云うて来てお前。」 と勘次の母が顔を曇らせて云いかけると、安次は行司が軍扇を引くときのような恰好で、 「心臓や、医者がお前、もう持たんと云いさらしてさ....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
人の名などを、記憶しておられるはずはなかろうと思っていた。 と――猿殿は、手の軍扇を、少しあげて、わしの顔をさしまねき、 「上がれ」 「は……?」 「階段を上....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
て、腰をかまえ、りゅうと胸を反らすと、右の手で黒骨の金に大きな朱の日の丸の玩具の軍扇をサッと拡げて、口元近く煽いだり裏返したり、上げたり下げたり、時には「えへん....