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「軍服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軍服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
三日にあげず、昼間でも役所の帰り途に、陸軍一等主計《りくぐんいっとうしゅけい》の軍服を着た、逞《たくま》しい姿を運んで来た。勿論《もちろん》日が暮れてから、厩橋....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
が右からも左からも、あるいは彼の辮髪《べんぱつ》を掃《はら》ったり、あるいは彼の軍服を叩いたり、あるいはまた彼の頸から流れている、どす黒い血を拭ったりした。が、....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《しんがい》した秘密はこの研究に潜んでいる。 森鴎外 畢竟鴎外先生は軍服に剣を下げた希臘人《ギリシアじん》である。 或資本家の論理 「芸術....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
は用が多いのか、容易《ようい》に月給を渡さなかった。のみならずしまいには彼の前へ軍服の尻《しり》を向けたまま、いつまでも算盤《そろばん》を弾《はじ》いていた。 ....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
は又|馬鈴薯《じゃがいも》に変り、馬鈴薯は三度目に蝶に変り、蝶は最後に極く小さい軍服姿のナポレオンに変ってしまう。ナポレオンは手の平のまん中に立ち、ちょっとあた....
或る女」より 著者:有島武郎
《はいけん》を取るらしい音も聞こえた。やがて岡の先に立って格好の悪いきたない黒の軍服を着た古藤が、皮類の腐ったような香《にお》いをぷんぷんさせながら葉子のいる所....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
るって。なるほど、それでは裸でいなければならぬ勘定になるが、しかし川上機関大尉は軍服を着て舷門から出ていったんだぞ。それは杉田二等水兵が知っとる」 「おかしくは....
しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
剣をかついで、まっすぐにまえをにらめていました。みんな赤と青の、それはすばらしい軍服を着ていました。ねかされていた箱のふたがあいて、この兵隊たちが、はじめてこの....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
した。 ああ、金持でありたいな――そうして士官になろうとした、 サーベルさげて、軍服すがたに、負革かけて。 時節がくると、おれも士官になりすました。 さてはや、....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のやさしいいいなずけからきいたのです。それから、その子はお城の門をはいって、銀の軍服のへいたいをみながら、だんをのぼって、金ぴかのせいふくのお役人の前にでました....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
驚いてしまった。 一と頃江戸図や武鑑を集めていた事があった。本郷の永盛の店頭に軍服姿の鴎外を能く見掛けるという噂を聞いた事もある。その頃|偶っと或る会で落合っ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
者の一人となろうとしていた。陸軍を志願したのも、幼時は左に右くその頃では最早ただ軍服が着たいというような幼い希望ではなかった。それ故に軍人志望が空しくなると同時....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
善は急げで、話はトン/\拍子に運んで、やがて角かくしも重々しい初世は、佐太郎の軍服姿の写真の前で、三々九度の盃を重ねて、直きに源治の家の人となつた。そして三日....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
公会堂で結党大会を開いた。私はこのとき司会者をつとめたが、会場を見渡すといずれも軍服、軍靴のみすぼらしい格好ながら同じ理想と目的のため、これほど多くの人々が全国....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
おり、消灯ラッパを通常は将校集会所の入浴場で聞いていた私は、宿に帰れば疲れ切って軍服のまま寝込む日の方が多かったのである。あのころは記憶力も多少よかったらしいが....