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軍用金
「軍用金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軍用金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くのが無事だということになっている。町屋《まちや》ばかりでなく、諸大名の屋敷でも
軍用金はこうして貯えて置くのだと、そう云うのです」 そんなことが本当にあるか無....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その血祭りに今夜この異人の首を刎ねたのである。迷惑でもあろうが、これを形代として
軍用金を調達してくれと云った。相手が普通の押借りであるならば、一人|頭五両ずつも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しであるから、留守では、芋が焦げて、小児が泣く。町内迷惑な……その、男女交際会の
軍用金。諸処から取集めた百有余円を、馴染の会席へ支払いの用があって、夜、モオニン....
「乱世」より 著者:菊池寛
ろいて、家老が城下の入口まで出迎えた。彼らは今尾藩へ三千両、城下の町人に二千両の
軍用金を命じて、一旦、悠々と軍隊を休めてから、南に下って、大垣の南八里の高須藩へ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
船の帆影が伊豆の海を驚かしてから、世の中は漸次にさわがしくなった。夷狄を征伐する
軍用金を出せとか云って、富裕の町家を嚇してあるく一種の浪人組が近頃所々に徘徊する....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
豊家はあの通り悲しい没落を遂げて、世に大阪城の竹流し分銅と称されてやかましかった
軍用金のうち、手づかずにまるまる徳川家の手中に帰したのは、実に六百万両という巨額....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
方につけたためであった。一方、天狗党では、幹部として相応名の聞こえた田中|源蔵が
軍用金調達を名として付近を掠奪し、民心を失ったことにもよると言わるるが、軍資の供....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い流言の渦中に巻き込まれた。追分の宿はもとより、軽井沢、沓掛から岩村田へかけて、
軍用金を献じた地方の有志は皆、付近の藩からのきびしい詰問を受けるようになった。そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
すと、外套なし。」 「そいつは打殺したのを知ってる癖に。」 「萌した悪心の割前の
軍用金、分っているよ、分っている……いるだけに、五つ紋の雪びたしは一層あわれだ、....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
らなかった。戻っても、何うなるかを江戸にいて、鎧まで金に代えていた旗本であった。
軍用金をいくらか貰って、ようよう息をついできた人であった。 (新撰組の人達は、一....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
んか持っていたって仕方ありませんね」 「何故よ」 「脱走武士なんかがやって来て、
軍用金だといって、引攫って行ってしまうじゃアありませんか。……親方ア金持だという....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
間と共謀して、黒の覆面に大小という拵え、金のありそうな町人の家へ押込んで、攘夷の
軍用金を貸せという。嘘だか本当だか判らないが、忌といえば抜身を突きつけて脅迫する....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
道じゃ。それも頗る巧みなる遣り口でのう。腹心にはことごとく武田家の浪人筋を用い、
軍用金として佐渡の黄金を溜めて置き、時機を見て、武田家再興の大陰謀を企てるのじゃ....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
申した。いまから奢りをやめ倹を専らにして、いつ合戦が起こるとも差し支えなきよう、
軍用金を蓄え置くことこそ、武士のたしなみに候』 『かたじけなし――』 蔵人の眼....
「心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
。屑だッて大したものなんだが――、当時、大望を懐いていた彼が密に準備をしておいた
軍用金、――即ちその金塊は、人に知れないようにあるところに納っておき、時機を待っ....