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「軍籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軍籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
々は他の産業の労働者よりもモット自重し緊張しなければならない、そこで倉田工業内の軍籍関係者で在郷軍人の分会を作ろうではないかという噂さが出ていること。工場長など....
鰊漁場」より 著者:島木健作
ことができなかった。――雇傭契約書の第十条にはちゃんと書いてあった。「被雇本人、軍籍ニアリ、万一不時ノ召集ヲ受ケ、労務ニ服スルコト能ハザルトキハ、前借金ニ利子ヲ....
縮図」より 著者:徳田秋声
地や家作で裕福に暮らしており、民子の良人も学校出であったところから予備少尉として軍籍にあった。そこでは本妻に子がなく、その時分にはまだそんな習慣もあって、彼は子....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
同じくし、同じ理想を趁う二人は多くの点に於て一致を見出した。彼女は若い海軍士官が軍籍を脱することについて家族総反対の中に唯一人の賛成者であった。斯くて二人は自然....
食堂」より 著者:森鴎外
の家に生れた人で、砲兵の士官になったが、生れ附き乱を好むという質なので、間もなく軍籍を脱して、欧羅巴中を遍歴して、到る処に騒動を起させたものだ。本国でシベリアへ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
けばどうなるか知れないというような噂さは聞いていたものである。それから以来、彼は軍籍には何等の関係の無い身ではあるが、その都度都度の軍国気分というものは可なり深....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の勝利を得る。彼らはナポレオンの支柱であり、ダントンの根拠である。祖国のためには軍籍に入り、自由のためには舗石《しきいし》をもあげて戦う。注意せよ! 怒りに満ち....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、結婚後半年もたたぬうちに戻されて、今度は兄の家へ引き取られた。この兄というのは軍籍にあったので、日清戦争後は小倉の師団に転任させられた。少女もまた兄の赴任に随....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は、中学時代の先輩中原庸彦中佐の戦死だ。中原君は三次中学校を出て、士官学校を経て軍籍にあったが、退役して実業に就いていた。今次の支那事変に五十を過ぎる身で、自ら....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の最大の増加は、第九年以前、おそらくは共和国が始って最初の六、七年の間、既婚者が軍籍から除かれていた頃のことであった、と考えたい。もしこの国民の農業部分の状態が....
決闘」より 著者:神西清
の十字架は三四十マイルさきからも隊商の眼にうつり、沙漠に君臨しているからだ。彼が軍籍に身を置かなかったことを僕は切に惜しむ。彼はきっと卓越した天才的な司令官にな....
日記より」より 著者:三好十郎
の一家はカチカチのキリスト教徒であるが、その家の長男は特に狂信に近い男で、かねて軍籍が有ったが、一年前、召集を受けたら、その男は「自分はキリスト信者であり、キリ....