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「軍配〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軍配の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
ことに越前勢は目に余る大軍なり、大将忠直卿は今日を必死の覚悟と見えて、馬上に軍配を捨てて大身の槍をしごきながら、家臣の止むるをきかず、先へ先へと馬を進められ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の松かさみたいな左のこぶしが、同じくじりじりと砂の上におろされましたので、さっと軍配が引かれるといっしょに、肉弾相打って国技の精緻《せいち》が、いまやそこに現出....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
て長駆マルヌ河畔に進出し、一時はドイツの大勝利を思わせたのでありましたが、ドイツ軍配置の重点はシュリーフェン案に比して甚だしく東方に移り、その右翼はパリにも達せ....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
。――其処まで行って見よう。果して君の説が正しいか、それとも、僕の恐ろしい予想に軍配が挙がるか――」 で、私達は二人共亢奮して歩き続けた。 もうこの附近はW....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ことになりました。東京日日新聞社からは黒田甲子郎君がすでに従軍願いを出して、第一軍配属と決定しているので、わたしは東京通信社の名をもって許可を受けました。 東....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
にかけての所は、咽輪と黒漆の猛悪な相をした面当で隠されてあった。そして、背には、軍配|日月の中央に南無日輪摩利支天と認めた母衣を負い、その脇に竜虎の旗差物が挾ん....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
おろした(謙信時に三十二歳)。琵琶の文句通り、信玄は刀をとる暇もない。手にもった軍配|団扇で発止と受けとめたが、つづく二の太刀は信玄の腕を傷け、石火の如き三の太....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
って、先陣せよと下知を伝えた処、大久保兄弟に属している内藤四郎右衛門|信成、金の軍配|団扇に七曜の指物さしたのが、「我主君は他人の下知を受けるものではない。内藤....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
りかぶり、 「信玄、覚悟!」力いっぱいふり下した。 「下郎、さがれ!」 信玄は軍配をかかげて余の太刀をふせいだ。彼の狂乱した目が見えた。余の太刀筋に狂いがあり....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、女性的な面が衝突し合っているのである。吉井君も編輯にはまったく無能で、どっちに軍配をあげるわけにもいかないが、部下を心服させることができないのは、H氏の不徳の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
をかついで、舞踏会場へ躍りこんだ。 総理大臣善鬼はヨロイ、カブトに身をかため、軍配を片手に、ひどく落着いた扮装であるが、実はチャメロスの方を見てはハラハラ、い....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
微塵の虚飾もなかったのだ。その三十分後には、法水麟太郎と支倉検事の二人が、北多摩軍配河原の寂光庵に到着していて、まさにそこで、疑う方なく菩薩の犯跡を留めている二....
我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
ろしていたものです。そのほかには武器に関する玩具が多く、弓、長刀、刀、鉄砲、兜、軍配団扇のたぐいが勢力を占めていました。私は九歳の時に浅草の仲見世で諏訪法性の兜....
伝不習乎」より 著者:北大路魯山人
極複雑である。しかし、どっちが本当に美味を持っていたかというと、昔の簡単な料理に軍配が挙がる。少なくとも今日の料理が次第にインチキ料理になりつつあることは争われ....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
る度に落ちたりして、それが籠の中に溜るんだね。それから最初に来た鳩の胃袋から出た軍配虫、それ等から想像して見当がついたが、どこに鳩舎があるかという事はこれから探....