軒の玉水[語句情報] » 軒の玉水

「軒の玉水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軒の玉水の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
は煙か雨かと思うほどで、傘さして通る人や、濡れて行く馬などの姿が眼につく。単調な軒の玉水の音も楽しい。 堅く縮こまっていた私の身体もいくらか延び延びとして来た....
竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
して「夜の雨もしや来るかと」とつやのある低い声でうたう。それもじきやんで五月雨の軒の玉水が亜鉛のとゆにむせんでいる。骨を打つ音は思い出したように台所にひびく。 ....
獄中生活」より 著者:堺利彦
虚空の三千里。 舞いすまし、吹きすます。 ピーヒョロリ、ピーヒョロリ。」 雨には軒の玉水の、 鼓打つかと思わるる。 緒を引きしめて気を籠めて、 打つや手練の乱拍....
無題(三)」より 著者:宮本百合子
へこむほどひどい音をたてて居るし、雨だれも滝の様で見て居ると目がくらむ。 到底軒の玉水などとやさしい事を云うどころではない。木の根元をくぐったり、草の根をすり....