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軒口
「軒口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軒口の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
れの顔を見て何と思ったか、喫驚《びっくり》した眼をきょろきょろさせ物も云わないで
軒口ヘ飛んで出た、おれが兼さんお早ようと詞を掛ける、それと同んなじ位に、 「旦那....
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
松の手を離れて、庭先へ駈け出してから、一寸《ちょっと》振りかえって見たら、お松は
軒口に立って自分を見送ってたらしかった。其時自分は訳もなく寂しい気持のしたことを....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
の人達は今夕飯最中で盛んに話が湧いているらしい。庭場の雨戸は未だ開いたなりに月が
軒口までさし込んでいる。僕が咳払《せきばらい》を一ツやって庭場へ這入ると、台所の....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
敷かれる庭ももはや六分通り籾を広げてしまった。 省作は手水鉢へ水を持ってきて、
軒口の敷居に腰を掛けつつ片肌脱ぎで、ごしごしごしごし鎌をとぐのである。省作は百姓....
「わが町」より 著者:織田作之助
い火鉢の傍に半分腰を浮かせながら、うずくまっていると、 「誰方――?」 ぬっと
軒口から顔を出した者がある。 「よう〆さんか?」 相変らずでっぷりして、平目の....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
無しであった。村を挙って今日の珍客を見物に来ているのと知れた。中には階子を掛けて
軒口から見るのさえあった。 その眼にも様々あったが、爛れ目が殊に多かった。冬籠....