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軒提灯
「軒提灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軒提灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
所《ほんじょ》の東の空は、ぼかしたように薄明かるかった。川向うの列び茶屋ではもう
軒提灯に火を入れて、その限りない蝋燭の火影が水に流れて黄色くゆらめいているのも、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
踊りの家台の噂などをしていたが、雨はだんだん強くなるばかりで、家の老婢があわてて
軒提灯や飾り花を引っ込めるようになって来た。町内の家台囃子の音も沈んできこえた。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
前には型ばかりの祭礼を行なわないでもなかったが、それは文字通りの「型ばかり」で、
軒提灯に花山車ぐらいにとどまっていた。その花山車も各町内から曳き出すというわけで....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
道を通り越すと、坂があって、急に両側が真赤になる。あすこだろう、店頭の雪洞やら、
軒提灯やら、そこは通った。」 三 「はい、あの軒ごと、家ごと、向三....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、すなわち放楽の乱舞となるべき、仮装行列を待顔に、掃清められた状のこのあたりは、
軒提灯のつらなった中に、かえって不断より寂しかった。 峰の落葉が、屋根越に――....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
さまは二十日過ぎになってお祭りをいたしましたが、そういう訳ですから、氏子の町内も
軒提灯ぐらいのことで、別になんの催しもございませんでした。年のゆかない私どもには....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
や眩くも千客万来、未曾有の評判得させたまえと、立花亭主になり代わって「祭の夕」の
軒提灯にあかあかと灯をさし入れるは、昭和戯作者の末座につらなる。 正岡 容 (昭....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、築地橋から座の前を通りぬけた四つ角まで殆んどみな芝居茶屋であった。その花暖簾や
軒提灯の華やかな光景はもう見られない。 ここで少しく註を入れて置きたいのは、こ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
色のよいところだと思うた。 青柳という町を過ぎる。近きにお祭があるというので、
軒提灯を吊して美しく飾っていた。 形|面白き柳の巨木の、水に臨んで、幾株か並ん....