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「軒端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軒端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
分も絵の端くれを描きますが、いや、その他、何やかや八百屋でして」 男はちょっと軒端《のきば》から空を見上げたが 「どうだ、日もまだ丁度ぐらいだ。奥で僕と一ぱい....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
それでも走った。 「おい、こっちに逃げ道があるよオ。――」 唐突に、その家並の軒端と覚しきところから圧しつけるような声が懸かった。僕はその声に、飛びあがるほど....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
つつむように迫って来たかと見るうちに、その雲のあいだから一つの物が躍り出て、西の軒端へ流れるように入り込んだので、寺の僧らはまた驚き怖れた。やがて雲も収まり、空....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
という一本の梅がある。紅蓮尼はここに庵を結んだ。 さけかしな今はあるじと眺むべし軒端の梅のあらむかぎりは 嘘か本当か知らぬが、尼の詠み歌として世に伝えられてい....
「春昼」より 著者:泉鏡花
焼残って、ちらちら真紅に、黄昏過ぎの渾沌とした、水も山も唯一面の大池の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼の雲の片と、紅蓮白蓮の咲乱れたような眺望をなさっ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
とを。 侍女五 ……時得て咲くや江戸の花、浪｜静なる品川や、やがて越来る川崎の、軒端ならぶる神奈川は、早や程ヶ谷に程もなく、暮れて戸塚に宿るらむ。紫｜匂う藤沢の....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
煮染、御酒などの店もあった。が、何処へも休まないで、車夫は坂の下で俥をおろした。軒端に草の茂った、その裡に、古道具をごつごつと積んだ、暗い中に、赤絵の茶碗、皿の....
「東京要塞」より 著者:海野十三
制服の警官はたった二人だけ、あとはみな私服の刑事ばかりが十四、五人。寝鎮った家の軒端や、締め忘れた露次に身をひそめて、掘割ぞいの鋪道に注意力をあつめていた。 ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
勢いこんで切り込んでゆく。 すると、その死闘の場より、ものの半町ほども距たらぬ軒端に、搦みあった別の二つの人影があった。 「もし、半之丞さまでは御座りませぬか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
がら、島野紳士のセル地の洋服の肱を取って、――奥を明け広げた夏座敷の灯が漏れて、軒端には何の虫か一個唸を立ててはたと打着かってはまた羽音を響かす、蚊が居ないとい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。そのなかでは朝から晩までから竿の音がいそがしく鳴りひびき、つばめや岩つばめが軒端をかすめて飛び、さえずり、屋根の上には鳩がいく列もならんで、片目をあげて天気....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
からとも知らず、一匹か二匹の小さい蝙蝠が迷って来て、あるいは町を横切り、あるいは軒端を伝って飛ぶ。蚊喰い鳥という異名の通り、かれらは蚊を追っているのであろう。そ....
「どこで笛吹く」より 著者:小川未明
ように鳴り渡りました。また雨の降る音を出そうと思えば、ちょうど雨が降りだしてきて軒端を打つような音を吹き鳴らしました。また小鳥のなく音をたてようと思えば、こずえ....
「春がくる前」より 著者:小川未明
のを見ました。火の見やぐらを見ました。いろいろなものを見ました。そして、垣根や、軒端に身を隠して、仲間のいる家をのぞきました。すると障子のはまった箱の中に入って....
「おじいさんが捨てたら」より 著者:小川未明
ころ白い花が咲き、その年の暮れには真っ赤な実が重そうに垂れさがったのであります。軒端にくるすずめまでが、目を円くして、ほめそやしたほどですから、近所の人たちも、....