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軟
「軟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
、いつか「熟考して見ましょう。」が「いずれ年でも変りましたら。」などと、だんだん
軟化致し始めました。そうしてその年の変った明治二十六年の初夏には、いよいよ秋にな....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
け奉る。……御身の憐みの御眼《おんめ》をわれらに廻《めぐ》らせ給え。……深く御柔
軟《ごじゅうなん》、深く御哀憐、すぐれて甘《うまし》くまします「びるぜん、さんた....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
がどくそん》」と獅子吼《ししく》した事などは信じていない。その代りに、「深く御柔
軟《ごにゅうなん》、深く御哀憐《ごあいれん》、勝《すぐ》れて甘《うまし》くましま....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ト》に美しい乳房《ちぶさ》を含ませた「すぐれて御愛憐《ごあいれん》、すぐれて御柔
軟《ごにゅうなん》、すぐれて甘《うまし》くまします天上の妃《きさき》」と同じ母に....
「或る女」より 著者:有島武郎
皮膚の光沢《つや》は、神経的な青年の蒼白《あおじろ》い膚の色となって、黒く光った
軟《やわ》らかい頭《つむり》の毛がきわ立って白い額をなでている。それさえがはっき....
「或る女」より 著者:有島武郎
がふらりふらりと揺れるような感じを失ってはいなかったが、広い畳の間《ま》に大きな
軟《やわ》らかい夜具をのべて、五体を思うまま延ばして、一晩ゆっくりと眠り通したそ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
る時のほか脱いだ事のない草鞋《わらじ》の底に二足三足感じられたと思うと、四足目は
軟いむっちりした肉体を踏みつけた。彼れは思わずその足の力をぬこうとしたが、同時に....
「星座」より 著者:有島武郎
《つくし》のように叢《むら》がって細長く立っていた。それらの上には春の大空。光と
軟かい空気とが小さな窓から犇《ひし》めいて流れこんだ。
機械室から暗窖《グラン....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、すぐれて優しい女性的な感情として見られていはしないか。好んで愛を語る人は、頭の
軟かなセンティメンタリストと取られるおそれがありはしまいか。それは然し愛の本質と....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ず全く平等の立場において連盟を結成せんとするわれらの主張は世人から、ややもすれば
軟弱と非難される。しかり、確かにいわゆる強硬ではない。しかし八紘一宇の大理想必成....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
二人の婦が、私の目に映りました。凄いように美しゅうがした。」 と鋳掛屋は、肩を
軟に、胸を低うして、更めて私たち二人を視たが、 「で、山路へ掛る、狼温泉の出口を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。…… 羽織も、着ものも、おさすりらしいが、柔ずくめで、前垂の膝も、しんなりと
軟い。……その癖半襟を、頤で圧すばかり包ましく、胸の紐の結びめの深い陰から、色め....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、髪の真白な、顔の扁い、年紀の割に皺の少い、色の黄な、耳の遠い、身体の臭う、骨の
軟かそうな、挙動のくなくなした、なおその言に従えば、金色に目の光る嫗とより、銑太....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て破って見た。この間ファラデーは黙ってやっておったが、漸う口を開いて、「そうだ、
軟いが、なるほどすぐに脆くなる。」しばらくしてこれに附け加えて、「そう、もっと何....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、もしもっと賢明な男だったらあきらめたであろう。ところが、彼は生まれつき至って柔
軟で忍耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても強靭で....