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「転がり込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

転がり込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
し意気地のない男になってしまったのだ。 頼る所はなく一部屋貸してくれと、田村へ転がり込むのはまだいいとして、章三を見た翌日、夜更けて貴子の寝室へ忍び込んで、こ....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
新吉の帯を取って引くと、仰向に倒れる、新吉も死物狂いで組付く、ベッタリ泥田の中へ転がり込む、なれども新五郎は柔術《やわら》も習った腕前、力に任して引倒し、 新....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
こりを忙がしそうに拭いていると、四時三十分の汽車がもう出るという。あわてて車内に転がり込むと、それがまた延着して、八時を過ぎる頃にようようパリに送り還された。(....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
行くのは唯此藻西太郎|一人だ、老人は巨多の財産を持て居て、死さえすれば甥の藻西へ転がり込む様に成て居る、のみならず老人の殺されたのは昨夜の事で、昨夜老人の許へ来....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
そうして巡査と押し合う人間の袂の下をかいくぐって、躓きたおれんばかりに楽屋の奥へ転がり込むと、楽屋の連中は皆、外へ逃げ出すか、馬の処へ駈け付けるかしているために....
簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
張課の土木監督となり、震災と同時に失職。二カ月ほど土工をして旅費をつくり、郷家に転がり込む。 帰郷中、妻の出産と共に、座食を抬ばれず、百姓仕事を手伝っては見た....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
来る。瓦斯会社が来る。交換局が来る。保険会社が来る。麦酒の箱が積まれる。薦被りが転がり込む。鮨や麺麭や菓子や煎餅が間断なしに持込まれて、代る/″\に箱が開いたか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずつ稼いで、一年二百四十両の一万人として、年二百四十万両というものが、日本の国に転がり込む…… 「これがお前さん、元手いらずでげすから大したもんでげさあ、仮りに....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
百法の三十五倍と元金の百法と、つまり総計三千六百法――三百六十円――というものが転がり込む。賭けたのが百円なら三千六百円だ。しかし、こうなると私も、四角だの|馬....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
ほこりを忙しそうに拭いていると、四時三十分の汽車がもう出るという。あわてて車内に転がり込むと、それが又延着して、八時を過ぎる頃にようやく巴里に送り還された。 ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
方に重い刃物が附いていて、それが差し伸べられている処刑者の首へ滑り落ち、その首が転がり込む嚢が附いていたのである。 本市 ロンドン市の中央の最も繁華な商業区。....
魔像」より 著者:林不忘
、油御用の株が伊豆伍から奪われて筆幸へ廻れば、筆幸から途法《とほう》もない謝礼が転がり込む約束になっているから、元より万事、慾と二人づれでなければ一寸も動かぬ長....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
の娘に仕立てれば、甲府の家主が持って来ているという二百両は、そっくりこっちの手へ転がり込む。この女へは一伍一什《いちぶしじゅう》を話して、すっかり話を合わしても....
活人形」より 著者:泉鏡花
して己が口の前で旨く世間を欺けば、他に親類は無し、赤城家の財産はころりと我が手へ転がり込む。何と八蔵そうなる日にはお前に一割は遣るよ。「ええ難有い、夢になるな夢....
森の石松」より 著者:山中貞雄
ぶつかる音。 七五郎、お民、思わず見る。 「七五郎、俺だ、石松だッ。七五郎」転がり込む石松。 「石松!」 「石松つあん」 「どッ、どうしたンだ石松」 ....