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転げ込む
「転げ込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転げ込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
から。」 私たちは、爆笑した。 「ばかばかしい。」佐伯は、障子をがらりと開けて
転げ込むようにして部屋へはいった。私も、おなかを抑えて笑い咽《むせ》びよろよろ部....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けたのであった。仏像はおそらく師匠の袂《たもと》かふところに入れてあって、ここへ
転げ込むときに水のなかへ滑り落ちたのを誰も見つけ出さなかったのであろう。毎日|陰....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れた。それでも彼は夢中で逃げ出すと、あたかも自分の家の前に出たので、やれ嬉しやと
転げ込むと、母も兄もその血みどろの姿を見てびっくりした。与市は今夜の始末を簡単に....
「うつり香」より 著者:近松秋江
ていた。私は何とも言いがたいそのにおいの懐かしさにそのまま蚊帳の裾をはねて寝床に
転げ込むと、初めの内はやさしく私を忍ばせたお前が何と思ったか寝床に横たわりながら....
「旅愁」より 著者:横光利一
って、あんな危い日本人がパリでひとりふらふらしているのを見てられるものか。どこへ
転げ込むか分ったものじゃないよ。それでつい、倒れ込むなら一緒の船で来た縁故もある....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
を剛、柔、水、火の手段にあしらえば、奥州は次第に掌《たなごころ》の大きい者の手へ
転げ込むのであった。然し名生の城は気息《いき》も吐けぬ間に落されて終って、相図の....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
場にいっぱいになる群立った頭のうちには、私の頭の後を追っていつかは赤い籠のなかに
転げ込むように運命づけられてる頭が、一つならずあるだろう。私のためにそこへ来てる....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
い船宿に師匠をひいきにする家がある。そこへ行って今夜は泊めて貰おうと思いついて、
転げ込むようにそこの門をくぐると、帳場でもおどろいた。 「おや、どうしなすった。....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
くりゃれ。よいか」 「は」 お菊はほっとそこを逃げ出して、自分の部屋へあわてて
転げ込むと、気味の悪い汗が頸筋から腋の下に湧き出しているのに初めて気がついた。 ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
元で、つき合いの日は浅えが妙な縁で江戸で呑み分けの兄き分がいるから、どうでそこに
転げ込むんだ。だが、このままあっけなく別れると言うのも何だから、その辺で一杯どう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
がないかと思うと、その頃の東京は、どんな隅にも巣がありました。裏長屋の九尺二間へ
転げ込むのですが、なりふりは煤はきの手伝といった如法の両人でも、間淵洞斎がまた声....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
元で、つき合いの日は浅えが妙な縁で江戸で呑み分けの兄き分がいるから、どうせそこに
転げ込むんだ。だが、このままあっけなく別れるというのも何だから、その辺で一杯どう....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
してしまえ。家の中の燈も」 と、息を喘って、また呶鳴った。 彼が、土間の中へ
転げ込むと、女の影も、燈をふき消して、あわてて姿を隠してしまった。――やがて武蔵....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
と嘔吐気に堪らなくなったらしく、両手で頭を抑えたまま、真ッ青になって、自分の家に
転げ込むや否や、 「ウーム……」 と弓弦を張られたように身を反らして、柱の根元....