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転た
「転た〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転たの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
るなりけり。 読書、弾琴、月雪花、それらのものは一つとして憂愁を癒すに足らず、
転た懐旧の媒となりぬ。ただ野田山の墳墓を掃いて、母上と呼びながら土に縋りて泣き伏....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
史に散見する。殊にアレキサンドリアの文庫の滅亡は惨絶凄絶を極めて、永く後世をして
転た浩嘆せしめる。近頃之を後人の仮作とする史家の説もあるが、聖経、詩賦、文章、歴....
「新童話論」より 著者:小川未明
面目なる、そして調子の低きなどは、児童の人格を造る上に幾何の影響あるかを考えて、
転た感慨なからざるを得ないのであります。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が、この長時間に何事をせられて居ったか。」私は「ヒマラヤ山の風景、壮観が私をして
転た深趣の感に堪えざらしめましたゆえ、そのつど感想上に浮んだ事を詩文に作って居り....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
したものと云ってよい。ハシウトはすなわちハシヒトの転で、マムトはすなわちマヒトの
転たることは云うまでもない。肥後国山鹿郡箸人郷というのもやはり間人の義であろう。....
「玄海灘密航」より 著者:金史良
朝鮮人の密航船が玄海灘で難破して、一行二三十名が藻屑となったという報道を読んで、
転た感深いものがあった。 その実私も釜山から一度密航を試みようとしたことがある....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
うすると先生は背向きに椅子にかけて正面の大きな書き物机にもたれて、ガックリとこう
転た寝でも遊ばしているような恰好なんでしょう。先生、先生と呼んで見たけれどもちっ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ある太い声が聞えたので、ハッと眼を開くと、のっそり浅田が立っていた。静子は今まで
転た寝の夢を見ていたのだった。 吃驚した彼女は飛起きると、浅間しい寝乱れ姿を繕....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
チに映しているのよ。」と言って居士はまだコツコツと叩いた。柱に凭れている女中は婉
転たる京都弁で何とか言っては笑った。居士も笑った。余はぼんやりとその光景を見てい....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
く後の世に留めているにすぎない。その時分に婀娜《あだ》な妓の可愛らしい朱唇から宛
転たる鶯の声のようにほとばしり出て、遊野郎や、風流客を悩殺せしめた数ある謡の中に....