転ばす[語句情報] »
転ばす
「転ばす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転ばすの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
いる書生とも思わしくない、純粋の労働者肌の男が……配達夫が、二、三人の子供を突き
転ばすようにして人ごみの中に割りこんで来た。
彼はこれから気のつまるようないま....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
こでジュリアの得意の独唱が始まった。客席はすっかり静まりかえって、ジュリアの鈴を
転ばすような美しい歌声だけが、キャバレーの高い天井を揺すった。 「どうもあの正面....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
車輪を前方に向って、即ち之まで転って来た方向に基いて(必ずしも一直線ではないが)
転ばすことが進歩だというのである。そして之を逆に転ばそうと試みることが反動だとい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
描いていないことです。古い美味な葡萄酒のように花の姿はかっちりと充実し、舌の上に
転ばす味の変化をふくみ、雄勁です。花への傾倒は感傷するには余りゆたかという風趣な....
「女難」より 著者:国木田独歩
腰をかけて暁の霧を浴びながら吹いていますと、私の尺八の音でもって朝霧が晴れ、私の
転ばす音につれて日がだんだん昇るようにまで思ったこともあったのでございます。 ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
妨げすると、その方も縛るぞ! その間に、小者二人、上林の弥造は三人の百姓を突き
転ばすようにして歩かせる。他の二人は転んだりしながらもフラフラ行くが、仙右衛門は....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
うのは梵語で「クル」というのは「成就せよ」「出て来い」というような意味であるから
転ばす時に「クル」といって投げ、望みの目が出た時は「クリタ」(成就した)という。....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
妨げすると、その方も縛るぞ! (その間に、小者二人、上林の弥造は三人の百姓を突
転ばすようにして歩かせる。他の二人は転んだりしながらもフラフラ行くが、仙右衛門は....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
上りし五重塔は揉まれ揉まれて九輪は動ぎ、頂上の宝珠は空に得読めぬ字を書き、岩をも
転ばすべき風の突っかけ来たり、楯をも貫くべき雨のぶつかり来るたび撓む姿、木の軋る....
「治郎吉格子」より 著者:吉川英治
に入れる工夫をしろ。来月になれば、どうかなろうが」 「じゃ、やっぱり、新町へ突っ
転ばすに限りますね。――ム、そいつに限る、いったん芸妓に出れや、あとは、本人の意....