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転向
「転向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転向の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
の思想運動に失敗したあとで、高等学校へはいったでしょう。左翼の人は僕らの眼の前で
転向して、ひどいのは右翼になってしまったね。しかし僕らはもう左翼にも右翼にも随い....
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
はりこの種の顔である。 近ごろばかな人間が手術をして一重まぶたから二重まぶたに
転向する例があるが、もつたいない話である。それも本当に美しくなれるならまだしもで....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
たがらなかったのであるが、近年どう悟ったものか、従来の消極主義を捨てて積極主義に
転向し、しかもかなり目にあまるほどの振舞いが見えてきた。またそれだけに彼の門を叩....
「地球盗難」より 著者:海野十三
んだネ。そいつはどうも、交際い難いな。どうだネ。佐々砲弾のザックバラン主義の方に
転向してみる気はないかネ」 「……余計なお喋りをやめて、飛行機の修理の方に熱中し....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
奉行所衛兵と合同して、警備の任に就いた。 所が、以前に近藤勇の為めに、倒された
転向勤王派たる、伊東|甲子太郎の残党なる鈴木三樹三郎、篠原|泰之進、加納|就雄な....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
重要に注意さるべきものである。世界の苦痛と悲哀と寂寞とを徹底的に認識するは楽天に
転向する第一歩である。そこに生命の自己認識がもたらす解脱の道がありはせぬか。認識....
「金属人間」より 著者:海野十三
うずですからね」 「きみの足首を斬った犯人が姿を見せないので、きみはからくり説へ
転向したというわけか」 検事はやや苦笑した。 「どこか天じょう穴があるとか、壁....
「獏鸚」より 著者:海野十三
だよ。江戸昌が二十三日の夜錨健次を殺したのも暗号を手に入れたいためだったが、既に
転向している健次は知らないと突張ったのだ。そこで秘密|漏洩を恐れ已むなく彼を殺す....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
ていない限り、もはや節操なき人人の似而自由主義には欺されないであろう。右翼からの
転向は、ただ沈黙あるのみだということを、私たちは肝に銘じて置こうと思う。 戦争....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
はやはり家の中で、決して誰もいない暗夜の野っ原ではなかった。野っ原から家の中への
転向し向上した彼にとって、たしかにそこは勝手が違っていた。 彼は家人に見つけら....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
、起ち上ろうとすると、 「逃げるんですか」 その男はいきなり信吉の腕を掴んだ。
転向者の心理について無駄な議論をすること。 惚れること。 惚れているような気がす....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
岡氏の死より先に機から飛び降りたのではないと考えます。綿井氏の精神を自殺から他へ
転向させたのは、勿論、秀岡氏の所持する金が自分の手に握れる立場になった故に違いあ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
持ち合せる霊智を働かせることが出来ないのです。 以上三毒を仏教の修業法によって
転向浄化して行くのです。仏(宇宙の大生命のこと。自身内部にある人格完成の芽もこれ....
「四つの都」より 著者:織田作之助
矢野名曲堂の表。 戸締りがしてある。 「時局に鑑み廃業、一家を挙げて産業戦士に
転向仕候」 と書いた貼紙がしてある。 その前に庄平が佇んでいる。 音楽が聞えてい....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
気持はすっかり貴方を離れちゃった。醒め切った女に未練を残さないで、貴方もさっさと
転向をやったらどう? キールン・ホテルで私に背中を向けて、逃げ出して行った、あの....