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転地
「転地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
た唇《くちびる》のかげに鋭い犬歯《けんし》の見える人である。
僕は当時僕の弟の
転地先の宿屋の二階に大腸加答児《だいちょうかたる》を起して横になっていた。下痢《....
「彼」より 著者:芥川竜之介
五
彼はかれこれ半年《はんとし》の後《のち》、ある海岸へ
転地することになった。それは
転地とは云うものの、大抵は病院に暮らすものだった。僕....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
円というものを費《つか》って新妻を持った。その細君はさらに次の年に慢性病になり、
転地療養をすることになって残額の二千円はばたばたとなくなってしまった。そして貯金....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
将校になったのち、一昨年(大正十三年)の春に故人になった。僕はその二、三週間前に
転地先の三島からよこした清水の手紙を覚えている。 「これは僕の君に上げる最後の手....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
氏の異形から出て来るのが一種|妖怪的な傷ましさを葉子に感じさせた。 汽車が氏の
転地先○○駅迄進んだ時、氏は誰かと一緒にシートから立ち上った。誰か直ぐ忘れて仕舞....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
目黒に甘藷先生の墓 (昭和13・10「短歌研究」) 病後静養のために箱根に
転地、強羅の一福旅館に滞在。七月下旬のある日、散歩ながら強羅停車場へ出てゆくと三....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
と云うのが、梅雨あけ頃から咳が出て、塩梅が悪いんで、大した容体でもないが、海岸へ
転地が可い、場所は、と云って此地を、その主治医が指定したというもんです。 小児....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
人で、数ヶ月前から健康を害した為|房総の屏風浦にあるささやかな海岸の別荘へ移って
転地療養をしてはいたが、その後の経過も大変好く最近では殆ど健康を取戻していたし、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
は彼の事件の草稿で、一八八五年の日付けになっていた。 私の医者はわたしに休養、
転地の必要があると言っている。ところが、私には間もなくこの二つながらを実行するこ....
「初雪」より 著者:秋田滋
ゃア、奥さんは寒までは持ちますまい」 医者はそう云った。で、彼女は南フランスへ
転地することになった。カンヌへ来て、彼女は久しぶりで太陽をふり仰いだ。海を眺め、....
「停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
ばらく入院していましたが、それでも負傷はすっかり癒って二月のはじめ頃から湯河原へ
転地しているので、学校の試験休みのあいだに一度お見舞に行きたいと、継子さんはかね....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーの方ではもとのようにやさしく無かった。やがてデビーは病気保養のため、イタリアに
転地などをしておったが、五年の後|逝くなった。 一八二三年にブランド教授が講演....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
た。 露地の中の隠れ住いを二ヶ月ばかりしてお京さんは身体の為めに海岸の療養院へ
転地した。そこへ、お京さんが立つときと加奈子が洋行するときと殆んど一緒だったので....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
きづかうほどのことはないのでしょうね。」 「いいえ、わけやないんだそうだけれど、
転地しなけりゃ不可ッていうんです。何、症が知れてるの。
転地さえすりゃ何でもないっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
日に一杯ぐらいしか喰わない。夜もおちおち寝られない、」といった。「そりゃ不可ん。
転地したらどうだい、神経衰弱なら
転地が一番だ、」というと、「
転地なんぞしたって癒....