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「転地療養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

転地療養の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二人の友」より 著者:森鴎外
た。その中《うち》に重い病気のためにドイツ語の研究を思い止まって、房州辺の海岸へ転地療養に往くと云うことが書いてあった。私はすぐに返事を遣って慰めた。これは私の....
明暗」より 著者:夏目漱石
たしに許して下さる自由に対して感謝の念をもっているんです……のにあたしがあなたの転地療養を……妨げるなんて……」 津田はようやく安心した。けれどもお延にはまだ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
吾輩などに較《くら》べると、からたわいのない者だ。それだから吾輩が運動、海水浴、転地療養の歴史を方寸のうちに畳み込んでいたって毫《ごう》も驚くに足りない。これし....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
円というものを費《つか》って新妻を持った。その細君はさらに次の年に慢性病になり、転地療養をすることになって残額の二千円はばたばたとなくなってしまった。そして貯金....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
誌記者を致して居りました。が、その頃|痼疾の肺がだんだん悪くなりかけましたので、転地療養の為、妻の実家即ち私の家の所在地なる千葉町へ参ったのであります。そして、....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
しらッてひどく心配していなさるの、時候が時候だから、少しいい方だッたら逗子にでも転地療養しなすったらッてね、昨夕も母さんとそう話したのですよ」 「そう? 横須賀....
ソヴェト・ロシアの素顔」より 著者:宮本百合子
来るだけ丈夫に育てること、それには林間学校を拵えたり、工場付属の療養所、それから転地療養、それから現在は病気になっていないけれども、このまま働いて行けば病気にな....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
人で、数ヶ月前から健康を害した為|房総の屏風浦にあるささやかな海岸の別荘へ移って転地療養をしてはいたが、その後の経過も大変好く最近では殆ど健康を取戻していたし、....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
で種子姉は一日も早く来いと言ってよこした。 父母は直ぐに許してくれた。脚気には転地療養にもなると思ったので。 今や人間修行への私のテーマは私の「田舎者」を克....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
声楽の勉強にパリに留学した。その年の秋、チェーホフも医者のすすめで南仏のニースへ転地療養に行っている。あとを追って行くような気持も幾分はあったのではないかと、一....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
静養で再び起って働くことが出来るようになりました。私を診療してくれた友人は頻りに転地療養をすすめましたが私は頑としてきかず、妻も私の心に同情して、私たちは再び人....
十六、七のころ」より 著者:永井荷風
ろそろ桜がさきかけるころ、わたくしはやっと病褥《びょうじょく》を出たが、医者から転地療養の勧告を受け、学年試験もそのまま打捨て、父につれられて小田原の町はずれに....