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転寝
「転寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
さむ》れば夢であって、自分は昼飯後《ひるめしご》教員室の椅子に凭《もた》れたまま
転寝《うたたね》をしていたのであった。 拾った金の穴を埋めんと悶《もが》いて又....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
瞼に重くちらついた。見習弟子はもう二十一歳になっていて白い乳房を子供にふくませて
転寝しているお君を見ては、固唾をのみ、空しく胸を燃していた。 歳月が流れた。 ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
どうです、心得ているから可いようなものの、それでいながら変に凄い。気の弱い方が、
転寝からふっと覚際に、ひょっと一目見たら、吃驚しますぜ。 魔物もやっぱり、蛇や....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
見ると旦那さアが書斎の籐椅子に腰さ掛けて眠っているでねえか。あれまア、こんな所で
転寝さして、風邪引くでねえかと傍さ寄ると、俺もう少しで腰さ抜かす所だったゞ。旦那....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
の時に一度死んで、通夜の三日の真夜中に蘇生った。その時分から酒を飲んだから酔って
転寝でもした気でいたろう。力はあるし、棺桶をめりめりと鳴らした。それが高島田だっ....
「女客」より 著者:泉鏡花
まえているんでしょう。どうして、元気な人ですからね、今時行火をしたり、宵の内から
転寝をするような人じゃないの。鉄は居ませんか。」 「女中さんは買物に、お汁の実を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の中へ両の手を差込んで、首をグッタリと蒲団《ふとん》の上へ投げ出して、何事もなく
転寝《うたたね》の形でありました。お銀様はその前に伏して面《かお》を埋めて、忍び....
「雨」より 著者:織田作之助
瞼に重くちらついた。見習弟子はもう二十歳になっていて、白い乳房を子供にふくませて
転寝しているお君の肢態に、狂わしいほど空しく胸を燃やしていたが、もともと彼は気も....
「麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
いるんです。まして原住民は十人も二十人も土間にアンペラを敷いて、一緒にかたまって
転寝をしているんですから、かりに猛獣が来ても、野蛮人が来ても、ほかの者に覚られな....
「春」より 著者:岡本かの子
して。 ――有難う、でも私|斯んなにしてること馴れてますの。 ――けど、患者さん
転寝してお風邪でも召すといけませんから。 ――ねむい、寝台へ寝る。 京子は決定....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
う坐るよう膝をまげて、横にまくらつけしが、二ツ三ツものいえりし間に、これは疲れて
転寝せり。 何なりけむ。ものともなく膚あわだつに、ふと顔をあげたれば、ありあけ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
地せらる。文章も三誦すべく、高き声にて、面白いぞ――は、遠野の声を東都に聞いて、
転寝の夢を驚かさる。 白望の山続きに離森と云う所あり。その小字に長者屋敷と云うは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
取縋る法もあるけれども、対手方はそれなり口も利かなかった咄嗟の間、お夏は船納涼の
転寝にもついぞ覚えぬ、冷たさを身に感じて、人心地もなく小刻につかつかと踵を返した....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ぐ上って来るだろうと思うと、やがて格子戸が開いたのは、懐手で出て帰ったのである。
転寝はかぜを引くと、二階へ床を取りに行った時、女房は、石のように固くなって愛吉が....
「雨」より 著者:織田作之助
子はもう二十才になっていて、夏の夜なぞ、白い乳房を豹一にふくませながらしどけなく
転寝しているお君の肢態に、狂わしいほど空しく胸を燃していたが、もと/\彼は気も弱....