転業[語句情報] »
転業
「転業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
根は百姓の出であって、最初は梅屋の人足宿、桝田屋の旅籠屋というふうに、追い追いと
転業するものができ、身分としては卑い町人に甘んじたものであるが、いつのまにかこれ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
放すは魚の水に離れるようなものだ、金なんか直ぐ泡の様に消えて了う、今更農をやめて
転業するなぞは十が十|堕落の原だ。
売らぬと云う側は、人数で関係地主の総数五十....
「ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
置く事が出来まして、その後の酒不足の時代になりましてからも、よその飲食店のように
転業などせずに、どうやら頑張って商売をつづけてまいりまして、また、そうなると、ひ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ある。
この大勢と当局の方針とを早くも察した楼主達は、貸座敷業から料理屋にまで
転業することを欲している。尤も当業者の商売が不振でなければ決してこういう当局の方....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
災難に会ったとしたらどうであろう。少なくも親戚の老人などの中にはこの災難と厄年の
転業との間にある因果関係を思い浮べるものも少なくないだろう。しかしこれは空風が吹....
「電車と風呂」より 著者:寺田寅彦
という男が、両国橋の上から河上を流れる絃歌の声を聞いて翻然大悟しその場から盗賊に
転業したという話があるくらいだから、昔から似よった考えはあったに相違ない。しかし....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
―解雇されないからぐずぐず働いてるようなものの、店はいつつぶれるか分りはしない。
転業が問題になっているが、自分の転職も、さっぱり見当がつかない。そして、十時に街....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
てるのである。彼はその時に得た金を元手に、闇ブローカーを始め、それから金貸しへと
転業した。だが、資金はまだ充分でないらしい。 「このようなこと、お気に入りますま....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
し、ダンスホールへ通っているが、先生は配給のタバコを買う金もないのである。ついに
転業のやむなきに至った。そのとき、彼が見つけた広告は、 「実直なる五十年配の教養....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
している。というのは、彼は元来が芸人で、明治初年に渡米し、彼の地で芸人から商人に
転業した立志伝中の快男児である。夢之助は渡米を倶にした芸人の娘であった。 十一....
「人生案内」より 著者:坂口安吾
十ではモウケもいくらにもならない。一家四人の口をしのぐことができなくなった。 「
転業しなきゃア、もうやってけないよ」 「資本がねえや」 「だからさ。日に三百も五....
「九段」より 著者:坂口安吾
独立精神の権化なのである。息子は養鶏をやったが思わしくなかったので、ブローカーに
転業して母親の旅館へせッせと物資を売りこんだ。ところが母親たるオカミサンが値切る....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
ージャが無理に説き伏せて踊子に仕込んだのだが、折角体が柔くなったところで、三人は
転業を考えだしている。阪神の踊子が工場へはいったと、新聞に写真入りである。私たち....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
方面へ逃げて来た。市街再建の後|西見番《にしけんばん》と称する芸者家組合をつくり
転業したものもあったが、この土地の繁栄はますます盛になり遂に今日の如き半ば永久的....
「四つの都」より 著者:織田作之助
相手の商売ちゅうやつもつくづくいやになった。雨が降っても槍が降ってもという商売に
転業しよ思てまんねん」 鶴三「レコード屋はやりなさんなよ。人間は身体を責めて働か....