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転機
「転機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転機の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
ら、本郷《ほんごう》のある印刷屋の二階の六畳に間借《まが》りをしていた。階下の輪
転機《りんてんき》のまわり出す度にちょうど小蒸汽《こじょうき》の船室のようにがた....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
に仕事をされた人である。が、先生の逝去ほど惜しいものはない。先生は、このごろある
転機の上に立っていられたようだから。すべての偉大な人のように、五十歳を期として、....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
でもって室内の様子をうかがった。なにかしら、ひゅーんという高い唸り音をあげて、廻
転機がまわっていた。 ことと、ことと、ことと。 カムがしきりにピッチをきざん....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
浦糸子射殺事件が更に大々的活字で報道されるのかと思うと、警部の耳底に、新聞社の輪
転機の轟々たる響がにわかに聞こえてくるようだった。 「射撃手――だって、新聞は云....
「蠅男」より 著者:海野十三
げたが、既にもう遅かった。蠅男の首はズブリと砂の中にもぐりこんだ。 素晴らしい
転機であった。 帆村の沈勇は、よく最後の好機をとらえることに成功し、辛うじて死....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
りたい一心から夢のような薫少年との初恋を軽蔑し、五十男の世才力量に望をかけて来た
転機の小初は、翡翠型の飛込みの模範を示す無意識の中にも、貝原に対して異性の罠を仕....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ったがそこにはなんとも云えぬ悲痛な空気が漲っていた。何故なら、彼等は伸子の解放を
転機として、もはや人間の世界には希望を絶たれてしまったからだ。あの物凄じい黒死館....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
生活を送っていられたのは職業たるを認められなかったからで、今日のように到る処に輪
転機を運転して、機械の経済的能力を全うさせる為めに文人の頭脳をも又機械的にし、収....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
はいかなかった。フリッツ大尉の案内により、大仕掛な地下工場のまん中に立ち、呻る廻
転機や、響く圧搾槌の音を聞いていると、ドイツ人のもつ科学力に魅せられて、おそろし....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ト・ランプが、点いたり消えたりした。防音壁をとおして、隣室の機械室に廻っている廻
転機のスピード・アップ音が、かすかに聞える。 私たちの体は、なんの衝動《しょう....
「転機」より 著者:伊藤野枝
らなかった。こうして、私は恐らく私の生涯を通じての種々な意味での危険を含む最大の
転機に立った。今まで私の全生活を庇護してくれたいっさいのものを捨てた私は、背負い....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。 階下の工場で、一分間に数千枚の新聞紙を刷りだす、アルバート会社製の高速度輪
転機が、附近二十余軒の住民を、不眠性神経衰弱に陥れながら、轟々と廻転をし続けてい....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
論それに伴って、性的機能が衰滅する事は云う迄もない。で、その症状を自覚したのが一
転機となって、その後の事が最後の夢なのだ。胎龍が自分の一つしかない眼を刳り抜いて....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
伴蔵を呪うところが凄く出来た。 それで張合いが出たのか、あるいはかれの技芸に一
転機を劃したのか、その後の菊之助は興行ごとに評判がよくなった。翌二十六年の歌舞伎....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ち大正十四年、普選が成立した。この普選の実施は労働運動を政治運動に発展せしめる一
転機をなしたもので、日本労働総同盟は政治運動への方向転換の宣言を行い、私の属する....