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転用
「転用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
拍子《ひょうし》に椽側へ転げ落ちたのを見た事がある。それ以来この机は決して寝台に
転用されないようである。
机の前には薄っぺらなメリンスの座布団《ざぶとん》があ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
取ると共に、何時しか他所に流れて往って了うた。やがて起ったのが、東京の寺院墓地移
転用敷地廿万坪買収の一件である。
京王電鉄も金が無い。東京の寺や墓地でも引張っ....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
の昔よりもすでにその伝があったことが知れる(後略)。」寺石氏はこのジャンの意味の
転用に関する上記の説の誤謬を指摘している。また終わりに諏訪湖の神渡りの音響の事を....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
る。 皮膚の感覚についてのみ言われるこの涼味の解釈を移して精神的の涼味の感じに
転用する事はできないか、これもまた心理学者の一問題となりうるであろう。 ....
「火星探険」より 著者:海野十三
な間違いはなかったのだ。受信機は一台積みこんであったが、牛頭大仙人の占い用として
転用したので、今はラジオが聞けない状態となっていたのだ。 しかも四少年の自動車....
「科学論」より 著者:戸坂潤
建的要素乃至ブルジョア市民的要素がプロレタリア的自由を呼吸するということに、之が
転用されていると見ていい。こうなれば科学の大衆化と啓蒙との間には、実質上殆んど何....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
略称が、後にヨーロッパ大戦前後を一期として生じた「文化」意識を云い表わすために、
転用されたのだが、すでに阿部次郎等に於て見られるように、この近代的な「文化」の観....
「物質とエネルギー」より 著者:寺田寅彦
という了見から何かその変化の原因となるものを考えたいので、この原因に力という語を
転用するに至ったのであろう。普通に云う力学上の力はすなわちいわゆる機械的の力で直....
「物理学の応用について」より 著者:寺田寅彦
うと思う。 純粋な科学の各種の方面でも物理学を応用しあるいは物理学の研究方法を
転用する事が盛んになる。天文、気象、地質、海洋等に関する自然科学研究に物理学応用....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
べからざる音楽的調和をなせる事を説きぬ。この見解は直《ただち》に江戸演劇の舞台に
転用する事を得るなり。本舞台いつもの処に置かれたる格子戸《こうしど》は恋人を見送....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
ているのである。けだし旧寺の焼礎の使用に堪うるものに加工して、これを再建の金堂に
転用したと解すべきものであろう。 四、今の金堂の間取りは当初のものと異なるべき事....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
「近頃の歌壇の慣用語でいえば、そうさ。だが、写生の語義を伝神とか実相観入とかに
転用するのはちょっと変だね。写生は普遍化された語義としてはやはり単なる写生だから....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
、名の下に「坊」の語を添えて、何々坊と呼ぶこともできてきた。けだしそれは坊の語の
転用である。『吾妻鏡』文治二年三月の条に、 。―― また、同書文治元年十一月の....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
説をも聞いております。はたしてそれが事実であるか否かは知りませぬが、祖先の落伍を
転用して、かえって奮発の動機となすことができたらかえって幸いです。かの山崎闇斎が....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
キロに分散しており、しかも東西の交通は極めて不便でボルトリから右翼の方面に兵力を
転用するためにはアックイを迂回するを要する。 ボルトリの攻撃にはビットニー、フ....