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転調
「転調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転調の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
んだのだけれども、生活の微妙なリズムは、病気そのもののためよりもむしろ伸子の生の
転調のために、そういう病気を必要としたかのようだった。モスク※へ来てから、とりわ....
「旅愁」より 著者:横光利一
ところだよ。名は他人につけて貰うのが一番いいんだから、一つ考えといてくれ給え。」
転調していく東野の冗談の中にも、彼の歴史の悲調な笑いが短く籠っていて矢代は面白く....
「今日の文学の鳥瞰図」より 著者:宮本百合子
社会主義的リアリズムは、日本に紹介されたと同時に、その基本的な点で極めて特徴的な
転調をされた。ある一部の紹介者は社会主義的リアリズムをもって、芸術に於ける世界観....
「夜の靴」より 著者:横光利一
に感服しているらしい。とはいえ、父、子、孫、という三代には、自らそれ相当の行為の
転調というものがあるものだ。人は三代より直接見ることは出来ないばかりか、それも五....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う人は、指揮に当って、只一音の笛のためにもちゃんとその笛に向ってよびかけを与え、
転調するときは前もってやはり注意を与えている。実にこまかく、そしてひっぱりこまれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
中に突進する。※風《ひょうふう》は怒号する。その暴風の最も強烈な最中に、にわかの
転調が、音の反射が、空の暗黒をうがって、蒼白《そうはく》な海の上に、光の延板のよ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。そして蜜蜂《みつばち》の金色の羽音に微笑《ほほえ》んでいた。それはたいてい、
転調に富んだ音楽だった。それから、躍《おど》り立つ執拗《しつよう》な魅惑的な律動....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
うと思うのです」 子守歌は不可思議極まる装飾音の中で跳ね廻り、随所で奔放自在な
転調《モジュレエション》を行ないながらようやく最後の静止音までたどり着いた。 ....
「「はつ恋」解説」より 著者:神西清
表作の系列の中にも、もちろんその時代々々のニュアンスによる心境の推移からくる種々
転調はあるものの、一貫して感じとられる重要な一筋の脈を成しています。 しかも、....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
まりの大きい和音の上にオーボエとクラリネットとがそのゆるやかな夢想を繰りひろげ、
転調の影がそこをよぎる。ピアニシモ(最弱音)で弦の顫えが高まる。これこそ森である....