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転進
「転進〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転進の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
葉をやたらに新聞人たちに使用させた。しかし、それは棺桶を聯想《れんそう》させた。
転進という、何かころころ転げ廻るボールを聯想させるような言葉も発明された。敵わが....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、撥を投げたように、霜を切って、唄い棄てた。……饂飩屋の門に博多節を弾いたのは、
転進をやや縦に、三味線の手を緩めると、撥を逆手に、その柄で弾くようにして、仄のり....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の鹿の子の手絡を組んで、黒髪で巻いた芍薬の莟のように、真中へ簪をぐいと挿す、何|
転進とか申すのにばかり結う。 何と絵蝋燭を燃したのを、簪で、その髷の真中へすく....
「偶感一語」より 著者:宮本百合子
も同様な、絶間ない愛を抱いているのです。ところが、生活慾の熾《さかん》な、刻々と
転進して行く生は、私を徒にいつまでも涙のうちに垂込めては置きますまい。激しい彼へ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
る不断の妨げがいかに働くかを大いに明かにする傾向を有ち、そしておそらく、上述の逆
転進転の運動の存在を立証するであろう。もっともその振動の時期は多くの介在的原因に....
「露の答」より 著者:坂口安吾
ろに折葉さんが父の日記を執りあげて読んでいました。そこで太郎丸氏の着想は急角度に
転進して、氏自ら忽然古代史の奥底に没入し去ってしまった。 私は生きているのが面....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
仏の理想、説法というのは仏が理想を説かれる、転法輪というのは仏が理想の輪を社会に
転進して理想を実現せられるというような意味である。法界というのは仏の理想の行われ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
あった。) 七日、晴れ。朝霧のために林巒を望むを得ず。数回汽船、漁舟を送迎して
転進す。穏波晴影、前夕のごとし。午後二時、ドーバー海峡を通過し、六時半、テムズ河....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぬ」 尊氏はうなずいた。 博多、箱崎に抑えをとどめて、本軍はその日、太宰府へ
転進した。 直義は、水城ノ址まで出て、兄を迎え、共に、原山の陣所へ入った。原八....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ここを決戦場として、足利の海陸勢を迎え打ち、一挙に粉砕する。――とは、この退却を
転進と称って、全軍を励ましていた合言葉だが、 「――さて今朝、ここにある総兵力は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のである。――よしっ! と見るや顕家たちは、方向を南へ変えて、一気に、北伊勢へ、
転進をつづけた。――そして伊勢や伊賀の山中でも、行く先々では、足利方のさまたげに....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
脅威して墺軍を屈伏せしめんとしたが、仏軍の無為に乗じて墺将カールはライン方面より
転進し来たり、ザクセン軍を合して大王に迫って来た。カールの謀将トラウンの用兵術巧....