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軽微
「軽微〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軽微の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
情が「いき」なるためには、眼と口と頬とに弛緩と緊張とを要する。これも全身の姿勢に
軽微な平衡《へいこう》破却《はきゃく》が必要であったのと同じ理由から理解できる。....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、鹿子さんの眼にあり得ない不思議を映したのでした。鹿子さん、たしか貴方の眼は、
軽微な赤緑色盲に罹っているのですね」 「それを、よくマア御存知で……」 と思わ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
ところ、この女は立派に成熟していたが、すこし心神にやや過度の消耗があり、左肺尖に
軽微ながら心配の種になるラッセル音が聴こえるのだ。この患者の体力消耗が一時的現象....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
攻撃もはげしくなり、地上部隊の高射撃もだいぶんうまくなった。被害は今までのところ
軽微である。 これからさらに空襲は激化して行くであろう。そこで特に、この「空襲....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
ですか?」喬介が訊いた。 「ええ、ありません。もっとも、顔面、掌その他に、極めて
軽微な表皮剥脱|乃至皮下出血がありますが、死因とは無関係です」 喬介は警察医と....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を脱がして屍体の全身を調べ始めた。微かに糞尿を洩らしているだけで、外傷はもちろん
軽微な皮下出血の跡さえ見られない。が、腹の胴巻には札らしい形がムックリ盛り上って....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ヌエラの発作が偶然われわれを救ってくれることも……) “Latah”は、さいしょ
軽微な発作が生理的異状期におこる。そのときは、じぶんがなにをしているかが明白と分....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
して魚を釣ったり、魚の来ぬ時は拙な歌の一句半句でも釣り得てから帰って、美しい甘い
軽微の疲労から誘われる淡い清らな夢に入ることが、翌朝のすがすがしい眼覚めといきい....
「風博士」より 著者:坂口安吾
の皮を撒布し余の殺害を企てたのも彼の方寸に相違ない。愉快にも余は臀部及び肩胛骨に
軽微なる打撲傷を受けしのみにて脳震盪の被害を蒙るにはいたらなかったのであるが、余....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
惨な感じを与える。だが、眼はこれ等すべてを裏切る憂欝な大きな眼だ。よく見るとごく
軽微に眇になっている。その瞳が動くとき娘の情痴のような可憐ななまめきの全幅の諧調....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いた。三隻単位を捨てて、五隻単位主義を採択したほどの墺海軍が、また何故に、損害の
軽微な潜航艇戦にも出なかったのであろうか。それには、陸上トレンチノ線の、快勝が原....
「笑について」より 著者:岸田国士
に心配する必要はないと私は思います。大ぴらにお互いに笑い合うということは、これは
軽微な相手の欠点や間違いを笑うので、決して相手を傷つけることにはならないという、....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
に、若い人々の此態度を見るのである。けれども、此方面に於ける私の責任などは、極々
軽微なものである。がら者がわるいので、茂吉のせいでは、ほんとうの処はないのである....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
るしみの伏在する所にてその間一種いふべからざる苦痛も有之、この苦痛最初はいたって
軽微なりしも仕事に深入すればするほど重かつ大になりゆきて時には殆んど耐へがたき事....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
戦争(一七〇一―一四年)には三回だけ大会戦があったけれども戦争の運命に作用する事
軽微であった。またこの頃殲滅戦略を愛用したカール十二世は作戦的には偉功を奏しつつ....