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「軽浮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽浮の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
情に自分全体を委せてしまうようなことのあるのは、嬉しいことではなかった。いかにも軽浮な若者らしいことも苦々しかったのである。 単に浩にとってばかりでなく、お咲....
女性の歴史」より 著者:宮本百合子
たマリー・アントワネットは、腐敗しきっていたフランス宮廷生活の中で、その若々しく軽浮であった一生を最も悪く利用された一人の女性であった。けれども彼女の運命は全く....
婦人も参政権を要求す」より 著者:与謝野晶子
着と聡明とを失いません。雷同や模倣に由って普通選挙を主張するように解釈する者は、軽浮なる自己を推して他人を忖度するものだと思います。 それなら、普通選挙はどう....
惨めな無我夢中」より 著者:宮本百合子
材の多いこと。並に、当人達も、田舎よりは情操の訓練を受ける機会が多いため、概して軽浮な中にも敏感で、よくいえば趣味よく、悪くいえば狡く打算をもって感情を整理して....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
皇子の造語と看做していい。一首は、よい気持になられての即興であろうが、不思議にも軽浮に艶めいたものがなく、寧ろ勁健とも謂うべき歌調である。これは日本語そのものが....
赤い壺(三)」より 著者:種田山頭火
物を弄ぶのはその物の真髄を知らないからである。理解は時として離反を齎《もた》らすけれど、断じて玩弄というような軽浮なものを招かない。 鏡を持たない人は幸福である。その人は自分が最も美しいと....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
欧文人の生涯、殊に露国の真率かつ痛烈なる文人生涯に熟していたが、それ以上に東洋の軽浮な、空虚な、ヴォラプチュアスな、廃頽した文学を能く知りかつその気分に襯染して....
向嶋」より 著者:永井荷風
仮借の方法と模倣の精神とに関して、一はあくまで真率《しんそつ》であり、一は甚しく軽浮である。一は能《よ》く他国の文化を咀嚼《そしゃく》玩味《がんみ》して自己薬籠....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、はじめて本心のよく分るもの、まだ彼と知ることの日は浅いが、義にも情にも、そんな軽浮でないことはよく分っている。 ゆうべ、猫間川の土橋から、舟を出てゆく時にも....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
以前には人世に対して種々の経歴を持っている人が多かった。元禄の俳句、元禄の俳人の軽浮な調が見えぬのはこの態度に原因するものと信ずる。ところが後世になってくるとい....