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軽焼
「軽焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軽焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
松《さんがいまつ》が書いて下に本《もと》とあった。その次には硝子《ガラス》の箱に
軽焼《かるやき》の霰《あられ》が詰っていた。その次には軒の下に、更紗《さらさ》の....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
リリ、と一種の微妙なる音楽であった。仲よしの小鳥が嘴を接す時、歯の生際の嬰児が、
軽焼をカリリと噛む時、耳を澄すと、ふとこんな音がするかと思う、――話は違うが、(....
「一太と母」より 著者:宮本百合子
った白い餅のようなものは、もりもりもりもりと拡って、箸でやっと持つ位大きく扁平な
軽焼になった。 「さ、ちっと冷《さま》してから食うと美味《うま》いよ。芳ばしくて....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
のむのは容易である。 ウィーンのある男は厳重なる検閲のもとにウインドボイテル(
軽焼きまんじゅうの類)を六十九個平らげた。彼の敵手は決勝まぎわに腹痛を起こして惜....
「田端の汽車そのほか」より 著者:宮本百合子
父が外遊中、家計はひどくつましくて、私たちのおやつは、池の端の何とかいう店の
軽焼や、小さい円形ビスケット二十個。或はおにぎりで、上野の動物園にゆくとき、いつ....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ほんとによかった。」ベスは御飯を運ぶお手伝いをしたいといい、エミイは、クリームと
軽焼を持っていってあげるといいました。その二つともエミイの一ばん好きなものでした....
「雁」より 著者:森鴎外
茶の局の話を聞せて貰い、広小路に出来た大千住の出店で買ったと云う、一尺四方もある
軽焼の馳走になった。そして父親が「まだ帰らなくても好いかい」と度々聞くのに、「大....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
僅か三人でした。一人は同じ町の外科病院の娘さんで内田さんといい、一人は千住名物|
軽焼屋の娘さんで牧野さんといいました。二人とも銀杏返しに結っています。私一人は長....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、親の縁を手頼に馬喰町の其地此地を放浪いて働いていた。その中に同じ故郷人が小さな
軽焼屋の店を出していたのを譲り受け、親の名を継いで二代目服部喜兵衛と名乗って
軽焼....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
離れの赤児《あかご》にちょうどいい菓子は僕が今拵えて進《あ》げるよ。お徳や、例の
軽焼餅を持っておいでな。大原君、この
軽焼餅は別製だぜ。僕が餅好きだから折々拵えさ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
カロリー表《ひょう》 春 第四十五 食餌箋《しょくじせん》
軽焼餅《かるやきもち》 春 第八十三 小児の食物 海藻....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
屋のふじや、やなぎや、鳥屋の鳥長、すしやの宝来、うなぎやの川松、瓦煎餅の亀井堂、
軽焼のむさしや。――それらの店々はわたしが小学校へ通っていた時分と同じとりなしで....