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軽症
「軽症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軽症の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眼帯記」より 著者:北条民雄
は色々の場合がある。とにかく充血は盲目に至る最初の段階なのである。 癩でもまだ
軽症なうちは、自分が盲目になるなどなかなか信ぜられるものではない。盲人を眼の前に....
「こころ」より 著者:夏目漱石
る機《はずみ》に突然|眩暈《めまい》がして引ッ繰り返った。家内《かない》のものは
軽症の脳溢血《のういっけつ》と思い違えて、すぐその手当をした。後《あと》で医者か....
「振動魔」より 著者:海野十三
ーム療院を持つ有名な呼吸器病の大家だった。一般にサナトリューム療院といえば、極く
軽症の肺病患者ばかりに入院を許し、第二期とか第三期とかに入ったやや重症の患者に対....
「蝱の囁き」より 著者:蘭郁二郎
続いた。 × 「お食事です……」 看護婦が部屋毎に囁いて行った。
軽症患者はサン・ルームに並べられた食卓につくのがこのサナトリウムの慣わしであった....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
てしまって欠勤して蒲団を引っかぶって寝込んで静養する。すればどんな病気でも大抵は
軽症ですんでしまう。ところが、抵抗力の強い人は罹病の確率が少ないから統計上自然に....
「花園の思想」より 著者:横光利一
ていたものだった。 彼は彼の寝床を好んだ。寝床は妻の寝室と同じであるとしても、
軽症者の静臥すべきベランダにあった。ベランダは花園の方を向いていた。彼はこのベラ....
「青春論」より 著者:坂口安吾
活がぬけきれなくて中途半端な闘病生活をしていることが直ぐ分った。菱山よりも遥かに
軽症と思われた人達が、読書に耽ったり散歩に出歩いたりしているうちに忽ちバタバタ死....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
潜水夫の療法だが、理にかなっているのである。つまり病人をもう一度深海へ降すのだ。
軽症ならば、深海へ降すと、そこにいるうちは治った状態になる。これを徐々に上昇させ....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
ずるならば、私は中途半端な、いわゆるファンはあまり感心しない。 私の経験では、
軽症映画中毒患者の写真の見方よりも、平素まつたく映画に縁遠い連中の見方の方が純粋....
「光は影を」より 著者:岸田国士
からの返事がもう来そうなものだと、小萩は、こゝ二、三日、なにも手につかなかつた。
軽症患者の日課はわりにゆるやかで、雪の山道が大儀でさえなければ、いつでも診察時間....
「妖怪学」より 著者:井上円了
といえども、その最も主なるものは精神作用なり。さきにすでに述ぶるごとく、いかなる
軽症少患といえども、身部の病は必ずその影響を心部の上に及ぼすをもって、精神作用の....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
て、酒をその前に供えていろいろのことを問い始めたり。まず、その隣家に重病のものと
軽症のものとの二名の病人あり。その重病のものの死生をたずねたれば、『死すべし』と....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
、赤痢と誤られたこともあった。全身衰弱いちじるしく、一週間ないし十日で死亡した。
軽症の者はただ下痢、食欲不振を訴えた。残留放射能によるものもあって、被爆後十日間....