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「軽舸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽舸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一つの出来事」より 著者:宮本百合子
見える穏やかな湖に軽々と恰好のよい舳《みよし》を浮かせて、いかにも典雅に水を滑る軽舸《カヌー》の律動につれて、月を迎えるような笛の旋律に聴き惚れるときなどには、....
追慕」より 著者:宮本百合子
ルの白い水楼で古風なワルツを踊っているような気がする。 濃碧の湖には笑を乗せて軽舸が浮く。街道の古い並木の下では赤い小猿が、手提琴の囃子につれて、日は終日帽子....
田舎風なヒューモレスク」より 著者:宮本百合子
蛋白石《オパール》色の東空に、白いほんのりした夕月がうかみ出す、本当に空にかかる軽舸のように。しめりかけの芝草がうっとりする香を放つ。野生の野菊の純白な花、紫の....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
ヌ》を伴れて聞え始めます。すると先刻までは何処に居たのか水音も為せなかった沢山の軽舸《カヌー》が、丁度流れ寄る花弁のように揺れながら、燈影の華やかなパゴラの周囲....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
蔑を感じた。 ◎ 六月の若い栗《クリ》の梢に、黄金の軽舸《カヌー》のような半月が浮んだ。 ◎ 彼は、自然....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ざいません、米友さんとのあの時の約束では、米友さんがこの白旗を見かけさえすれば、軽舸《けいか》を飛ばして馳《は》せつけて来ていただくことになっておりましたのに…....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
には。 実はあれから、ややしばし、同藩の人々と共に、便船から上がって来る武蔵の軽舸を待っていたところ、いつになっても、沙汰もなし、軽舸も来ない。 でも、太郎....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
か、俄かに芦を掻き分けて走りだした。 芦の深みに隠されて、苫をかぶった一|艘の軽舸がある。ザワザワと掻き分けてきた弦之丞、苫をはねのけてそれへ跳び移り、早くも....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
下から高くおどった。と、その鈎の爪がガッキとどこかへ食いついた途端に、天神岸から軽舸を飛ばしてついてきた原士たち、縄を攀じてポンポンと蝗のようにおどり込んできた....
三国志」より 著者:吉川英治
していただきたい」と、嘆願した。 袁紹は、ゆるした。 すると、文醜が、単身、軽舸に乗って、中軍へやって来た。 「先陣の大将は、それがし一名では、ご安心ならぬ....
三国志」より 著者:吉川英治
二十日は、まさしく甲子にあたります。お忘れなく、その日は、ご麾下|趙雲に命じて、軽舸を出し、江の南岸にあって、私を待つようにお備えください。いまは帰らずとも、孔....