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軽薄
「軽薄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軽薄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
はそれを聞くたびに、自分もまた蔭では「馬琴が」と言われることだろうと思った。この
軽薄な、作者を自家《じか》の職人だと心得ている男の口から、呼びすてにされてまでも....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に火をつけた。垂死《すいし》の母を見て来た癖に、もう内心ははしゃいでいる彼自身の
軽薄を憎みながら、………
六
それでも店の二階の蒲団《ふ....
「或る女」より 著者:有島武郎
よ御来迎《ごらいごう》?」
「来たね」
というような野卑な言葉が、ボーイらしい
軽薄な調子で声高《こわだか》に取りかわされるのを葉子は聞いた。
葉子はそんな事....
「星座」より 著者:有島武郎
った。今日の演説を座興も座興、一人の女を意識に上せて座興にしようとしている人見の
軽薄さにはまったく腹が立った。第一似すぎるほど似ているのが癪《しゃく》に障《さわ....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
すめられつついる。予はさきに宿の娘といったが、このことばをふつうにいう宿屋の娘の
軽薄な意味にとられてはこまる。 予の口がおもいせいか、娘はますますかたい。予は....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
う事実を明確に暗示する、次に、第三の手掛である所々の軽い擦過傷を検討して見よう。
軽薄ではあるが太く荒々しいあの瘡痕は、明かにナイフその他の金属類に依って与えられ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
が一度にカーッと熱くなるのを覚えた。 「先生、あたしはもともとそんなに節操のない
軽薄な女なんでしょうか。いえいえそれは全く反対です。先生はそれをよく御存知だった....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
している。 食後の胃のけだるさがそうさせるのか新吉の不均衡な感情は無暗に巴里の
軽薄を憎み度くなってじれ/\して来た。その時ジャネットが彼を顧向いて夫人との間の....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ここには省く。少年はお蓮といえりし渠の姉が、少き時配偶を誤りたるため、放蕩にして
軽薄なる、その夫判事なにがしのために虐遇され、精神的に殺されて入水して果てたりし....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
性があるだろうか。 かの子 宜い理智から明快に生きる青年と時代のカスをなめてただ
軽薄にその場その場の生活をするのと両方でしょうね。もちろん女性にもそれに適応した....
「白光」より 著者:井上紅梅
の物持はあらゆる手段をもって縁を繋ぎ求め、人々は皆|神仏のように畏敬し、深く前の
軽薄を悔いて気を失うばかり……自分の襤褸屋敷の門内を賃借りする雑姓を追い出し――....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
なものではない、世人の思う如く苦度々々しきものではない、変手古なものではない、又
軽薄極まる形式を主としたものではない、形の通りの道具がなければ出来ないというもの....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
愛読者たる士流の間にはソンナ説があったものと見える。当時、戯作者といえば一括して
軽薄放漫なる※々者流として顰蹙された中に単り馬琴が重視されたは学問淵源があるを信....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、女たち七人ばかりを、頭痛膏を貼った邪慳らしい大年増と、でっくり肥った膏親爺と、
軽薄らしい若いものと、誰が見ても、人買が買出した様子なのが、この炎天だから、白鵞....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
った。 私はいきなり跪いたよ。むこうが椅子でも、居所は破畳です。……こう云うと
軽薄らしいが、まったくの処……一生懸命で、土間でも床でも構う気じゃなかった。拳銃....