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輜
「輜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、貴公子然とした好男子だった。 ある晩、学校からの帰りに、同じ生徒の高橋という
輜重兵大尉が、彼に社会学というのはどんな学問かと尋ねた。 「たとえば国家というも....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
後備 中条越前守 古志駿河守 後押 甘粕近江守 小荷駄(
輜重)直江大和守 さて一般士卒には、 一、明十日御帰陣の旨|仰出さる。尤も日短....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
等の編成が行われ、諸軍合せて、歩兵は五十五大隊、砲兵六大隊、工兵一大隊、騎兵及|
輜重兵若干、それにこの戦に特別の働があった警視庁巡査の九隊、総員|凡そ五万人であ....
「運命」より 著者:幸田露伴
。急風火を扇る。是に於て南軍|大に潰え、郭英等は西に奔り、景隆は南に奔る。器械|
輜重、皆燕の獲るところとなり、南兵の横尸百余里に及ぶ。所在の南師、聞く者皆解体す....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
したとの知らせがあって見ると、大砲十五門、騎馬武者百五十人、歩兵七百余、旌旗から
輜重駄馬までがそれに称っているとの風評には一藩のものは皆顔色を失ってしまった。そ....
「李陵」より 著者:中島敦
の右賢王《うけんおう》を天山に撃とうというのである。武帝は李陵に命じてこの軍旅の
輜重《しちょう》のことに当たらせようとした。未央宮《びおうきゅう》の武台殿《ぶだ....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
惑そうに顔をあげて隊長を見た。 「こう毎日毎日、単調な原ッぱを、女気なしに汗臭い
輜重車を引きずり廻して暮すんじゃ、面白うないわい」 そして隊長は、ぺっと乾いた....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
撃の跡を視察するため、崩れかかった家屋の前に立っていたとき、そこへ急カーヴを切り
輜重隊のトラックが驀進してきた。呀っといって彼が身をさけた途端に、トラックの運転....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
のもの! 裂けた腹をそらざまに 虚空を踏む挽馬の幻影が 水飼い場の石畳をうろつく
輜重隊あとのバラック街 溝露路の奥にあなたはかくれ住み あの夏以来一年ばかり 雨....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《はち》にたまったように平原の窪地《くぼち》にここかしこたまっていた。ある所では
輜重車《しちょうしゃ》は車軸まで泥水につかった。馬の腹帯は泥水をしたたらしていた....
「接吻」より 著者:神西清
門ある。といった次第でこの行列は蜿々四五町にわたっているのだ。殿りをつとめるのは
輜重で、その傍にさも物思わしげに、ぴょんと長い耳のついた頭をうなだれながら歩いて....
「金狼」より 著者:久生十蘭
…」 と、呟きながら、古田の写真をとりあげた。古田は軍服を着て、二十人ばかりの
輜重自動車隊のまん中で得意そうに腕組みをしていた。 つくづくと眺めたのち、急に....
「馬」より 著者:佐左木俊郎
凝っと視詰めているようなことがあった。 * 徴兵検査で、伝平は、
輜重輸卒に合格した。 「馬が好きであります。」 伝平はそう、遂、うっかりと、正....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
判には、法学士なかるべからず。患者のためには、医学士なかるべからず。行軍の時に、
輜重《しちょう》・兵粮《ひょうろう》の事あり。平時にも、もとより会計簿記の事あり....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
相場に至り、女房ののろけを言って帰ってゆく、そのとりどりの嘘でない可笑しさ! 「
輜重輸卒《しじゅうりんそつ》」で、あの「ふ、ふ、ふあーっ」と世にも奇矯な声を随所....