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「輝く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

輝くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
気を静めようと目をつぶっているうちに、まつ毛を通し袖を通して木部の顔とことにその輝く小さな両眼とがまざまざと想像に浮かび上がって来た。葉子の神経は磁石《じしゃく....
或る女」より 著者:有島武郎
く立てこもった酒と煙草《たばこ》の余燻《よくん》の中に、すき間もる光線が、透明に輝く飴色《あめいろ》の板となって縦に薄暗さの中を区切っていた。いつもならばまっ赤....
二つの道」より 著者:有島武郎
る。中庸というものが群集の全部に行き渡るやいなや、人の努力は影を潜めて、行く手に輝く希望の光は鈍ってくる。そして鉛色の野の果てからは、腐肥をあさる卑しい鳥の羽音....
星座」より 著者:有島武郎
な贅沢《ぜいたく》をしたもんだなあと思いながら、渡瀬はまじまじと大ぎょうな金色に輝くその懸時計を見守って値ぶみをしていた。 間もなく新井田氏が奥さんにつきまと....
クララの出家」より 著者:有島武郎
入るばかりの羞恥を覚えた。毛の根は汗ばんだ。その美しい暗緑の瞳は、涙よりももっと輝く分泌物の中に浮き漂った。軽く開いた唇は熱い息気のためにかさかさに乾いた。油汗....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に関してリーマン及びヘルムホルツ/恒星の数は無限か/暗黒な天体や星雲が天空一面に輝くことを阻止する/物質の不滅/スピノザ及びスペンサーの説/ランドルトの実験/エ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
白き衣紋を透かして、濃い紫の細い包、袱紗の縮緬が飜然と飜ると、燭台に照って、颯と輝く、銀の地の、ああ、白魚の指に重そうな、一本の舞扇。 晃然とあるのを押頂くよ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、不忍の池を眺めた雪の糸桜を憶起さずにいられよう。 見る見る、黒髪に散る雪が、輝く膚を露呈して、再び、あの淡紅色の紗綾形の、品よく和やかに、情ありげな背負揚が....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
る。犬は左右の眼で交る交る寝た。そうして何か物音がする度に頭を上げて、燐のように輝く眼を※児の匂いがする。 この別荘に来た人たちは皆好い人であった。その好い人....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
そうして、その日光を得られれば、私には冷たい大理石に生命をあたえ、響きある青銅を輝く温かい火で鎔すことが出来るのです。――やあ、お前さんの手がわたしに触れました....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
です。御覧なさい、あなたがお仕事が上手になると、望もかなうし、そうやってお身体も輝くのに、何が待遠くって、道ならぬ心を出すんです。 こうして私と将棊をさすより....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
十七 しばらくして、浦子は玉ぼやの洋燈の心を挑げて、明くなった燈に、宝石輝く指の尖を、ちょっと髯に触ったが、あらためてまた掻上げる。その手で襟を繕って、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を止めて、急いで滝壺の上に走り出て見ますと、果してそこには一|体の白竜……爛々と輝く両眼、すっくと突き出された二|本の大きな角、銀をあざむく鱗、鋒を植えたような....
活人形」より 著者:泉鏡花
すにぞ、偶然思い付く頬の三日月、また露れはせざるかと、懐中鏡を取出せば、きらりと輝く照魔鏡に怪しき人影映りけるにぞ、はっと鏡を取落せり。 とたんに鉄棒|空に躍....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
うな有様であった。 昭和二年の晩秋、伊勢神宮に参拝のとき、国威西方に燦然として輝く霊威をうけて帰来。私の最も尊敬する佐伯中佐にお話したところ余り良い顔をされな....