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輦
「輦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
南来 瘴嶺 千層|※に、 北望 天門 万里|遙なり。 款段 久しく 忘る 飛鳳の
輦、 袈裟 新に換る ※龍の袍。 百官 此日 知る何れの処ぞ、 唯有り 羣烏の ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
との御沙汰を賜わったのも、六月の二十日から七月へかけてのことであった。薩藩と共に
輦下警衛の任に当たることにかけては、京都の屋敷にある世子定広がすでにその朝命を拝....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
従中山|忠光は官位を朝廷に返上し、長州に脱走して毛利真斎と称し、志士を糾合して鳳
輦を途中に奪い奉る計画があるというような、そんな風説も伝わったとある。その流言に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
り伝えて、その月の上旬に上方には騒動が起こったとか、新帝が比叡山へ行幸の途中|鳳
輦を奪い奉ったものがあらわれたとかの類だ。種々の妄説はほとんど世間の人を迷わすも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とを聞き、神田橋まで行けばその御道筋に出られることを知り、せめて都を去る前に御通
輦を拝して行こうとしていた。彼はそのことを多吉夫婦に告げ、朝の食事をすますとすぐ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
厨子は、木瓜厨子、正念厨子、丸厨子(これは聖天様を入れる)、角厨子、春日厨子、鳳
輦形、宮殿形等。 その他、なお、舎利塔、位牌、如意、持蓮、柄香炉、常花、鈴、五....
「李陵」より 著者:中島敦
しめ、両創を蒙《こうむ》る者にもなお兵車を助け推《お》さしめ、三創にしてはじめて
輦《れん》に乗せて扶《たす》け運ぶことに決めた。輸送力の欠乏から屍体《したい》は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
吟して、よく深夜人をおどろかす癖があります。 志賀、月明の夜 陽《あら》はに鳳
輦《ほうれん》の巡《じゆん》を為す 芳野の戦ひ酣《たけなは》なるの日 また帝子《....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
する恩愛を
打ち捨て去るを要しなば、
われシーザーにかく言わん、
笏《しゃく》と
輦《くるま》は持ちて行け、
われは母をばただ愛す、
われは母をばただ愛す。
....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
で、旅人達は急いでいた。川会所の前には、そういう人々でいっぱいだった。役人が
「
輦台《れんだい》二梃」
と、叫んで、木札で、台を叩いた。五六人の人足が
「おー....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
り上奏する所の条約一条、朝廷においてご聴許ない時は、大老らは承久の故事を追い、鳳
輦を海島に遷し奉るか、さもなくば主上を伊勢に遷し両宮の祭主となし奉るべし―― ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
天皇を兵庫の御道筋まで御迎え申し上げたその時の有様を形にしたもので、畏れ多くも鳳
輦の方に向い、右手の手綱を叩いて、勢い切った駒の足掻きを留めつつ、やや頭を下げて....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
とは、ちょうどこのたび皇太后陛下には京都においで遊ばされ、半月あまりも御所に御駐
輦に相成ったことでございました。私は三室戸伯のお導きを得まして、作を携えまして、....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
精《せんじょう》、森田悟由、釈雲照、勝峯大徹、織田得能らのごとき、これらの人々は
輦轂《れんこく》のもとに勢力を有しておった。地方には今北洪川、西有穆山《にしあり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
な飾りです。薄絹張の雪洞に西洋|蝋燭を燈したるものが二十四|張ばかり吊してある。
輦輿の中にシナの立派なる官服を着け、頭にはいわゆる位階を表わしたる帽子を被ってジ....